ECサイトをリニューアルすると、ユーザーが使いやすい機能を備えたサイトへの変更やセキュリティの強化などさまざまな効果が得られます。
しかし、
- いつECサイトをリニューアルすべきか
- リニューアルを成功させるには何に気をつければよいのか
など、いざ準備を始めると悩んでしまうこともあるのではないのでしょうか。
そこでこの記事では、ECサイトをリニューアルすべき4つのタイミング例や、事前に決めておくべきポイントなどを紹介します。
ECサイトをリニューアルするときの具体的な手順もお伝えしますので、ぜひ最後までご一読ください。
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ECサイトをリニューアルするタイミングはいつ?4つの例を紹介
まずは、ECサイトをリニューアルするタイミングの例を4つ紹介します。
それぞれ具体的に見ていきましょう。
【例1】システムやセキュリティに不備が出たとき
1つ目は、システムやセキュリティに不備が出たときです。
例えば、下記のようなケースでリニューアルの検討が必要になります。
- システムが老朽化してセキュリティが弱くなった
- システムが古いために更新に時間がかかってしまう
- 顧客管理システムや在庫管理システムとの連携で問題が生じた
システムの老朽化は業務効率を下げる原因にもなるため、入れ替えが必要です。
また、ECサイト運営者は「不正アクセス」や「サイバー攻撃」などの脅威と常に隣り合わせであることから、ECサイトと顧客の個人情報を守るためのセキュリティ対策も欠かせません。
【例2】プラットフォームの変更をしたいとき
2つ目は、出店しているプラットフォームを変更するときです。
「運用コストを下げたい」「もっと手厚いサポートが受けられる会社に乗り換えたい」などを希望するときも、サイトリニューアルを検討すべきタイミングです。
例えば、運用コストを見直す場合、下記を比較してみましょう。新システムに移行すべきかの判断がしやすくなります。
- 現在のECサイトを使い続けた場合の収支予測
- 新しいプラットフォームに変更した場合の収支予測
新しいプラットフォームの場合は、どのように収支予測すべきかイメージしにくいかもしれません。そのようなときは、同じ業種・同じ規模感のサイトを参考にしてみるのも方法のひとつです。
例えば、リニューアル後のサイトで下記の収支予測をするといいでしょう。
- カゴ落ちしにくい設計になっているか
- 不正購入の対策や補償があるか
- ユーザー目線で考えて購入しやすい導線ができているか
【例3】ブランドイメージ自体を一新させたいとき
3つ目は、ブランドイメージ自体を一新させたいときです。
ECサイトは、企業のブランドイメージと直結します。そのため、経営者が変更になったときや経営方針が変わったときなどにサイトリニューアルを行うケースは少なくありません。
また、ECサイトのブランディングは、ユーザーからの好感度や認知度を高める上でも効果的です。「ブランドイメージを一新させたい」と考えている場合、サイトリニューアルに着手してみてはいかがでしょうか。
【例4】機能を追加してECサイトの利便性を向上させたいとき
ECサイトを運営していると、「サイト立ち上げ時には想定していなかった機能」が必要になるケースは少なくありません。
例えば、下記の機能を追加する場合は、同サイトのままでは実装できないことがあるので大規模なリニューアルが必要な場合もあります。
- 新たな決済サービスへの対応
- ユーザー数増加に伴う顧客管理機能の追加
したがって、「機能を追加してECサイトの利便性を向上させたいとき」もリニューアルすべきタイミングです。
ECサイトをリニューアルする前に決めておくべきポイント4つ
ここからは、ECサイトをリニューアルする前に決めておくべき4つのポイントを見ていきましょう。
【ポイント1】現状の課題を把握し、リニューアル後の目標を決めておく
まずは、現状で抱えている課題を把握し、ECサイトの改善すべき点を洗い出すことがポイントです。
課題を把握した後、リニューアル後の目標を決めます。このとき意識したいのは、下記のような達成可能な目標を設定することです。
- いきなりカゴ落ち0を目標にするではなく、まずは10%減を目指す
- リニューアル後の売り上げ5倍を目指すのではなく、まずは20%アップを目指す
高い理想を掲げてしまうと、コストやリソース不足で達成できないことも考えられます。また、具体的な目標が明確でないまま単純にデザインだけを変えるのは要注意です。
デザイン変更だけしてもリニューアルの効果を期待できないどころか、現状よりも悪い結果を招いてしまう可能性もあります。
リニューアル後の目標は、集客するためのSEO対策も大切です。ECサイトのSEOノウハウは以下の記事もご覧ください。
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ECサイトを運営する上で、たくさんのユーザーに、自社の商品・サービスを知ってもらうために、まずは集客が課題になります。そして、集客のために... 自社ECサイトに集客するには?SEOノウハウをプロが公開! - www.seohacks.net |
【ポイント2】どういった内容の改善、変更を行うのか
2つ目は、どういった内容の改善、変更を行うのか明確化することです。
リニューアルで実施する内容に応じて、どのくらいの予算が必要になるかも変わってきます。例えば、課題として流入が少なく集客が上手く行っていない場合は、検索流入が増えるようにSEOの設計を見直すのもひとつの手段です。
- タイトルや見出しは適切に設定されているか
- 大手ECサイトと競合するキーワードばかりになっていないか
- 不要なコンテンツが重複していないか
- 評価のされやすい記事構成になっているか
など、SEOの観点から改善すべきポイントはないかを洗い出しましょう。必要に応じて、SEOを強化して流入を増やす施策を取り入れることが大切です。
また、リニューアル後のサイトの見た目も重要ですが、デザイン性にこだわりすぎて使いにくくならないように注意しましょう。
なおナイルでは、サイトのリニューアル時に気をつけておくべきSEOの施策をまとめた資料をご用意しております。リニューアル時にSEOを強化したい場合は、ぜひ無料ダウンロードの上ご参考ください!
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【ポイント3】リニューアルの作業は自社で行うのか委託するのか
リニューアルの作業を自社の担当者に任せるのか、外部の制作会社へ委託するのかを決めます。
リニューアルには専門的な知識・経験を要することや、大きな手間が発生することなどもあり、実際は外部の制作会社へ委託するのが一般的です。
費用感は制作会社やリニューアル内容によって異なりますが、相場としては下記のとおりです。
50〜100万円程度 | 中小規模のシステム・制作会社への依頼 |
200万〜1,000万円程度 | 中規模・大規模のシステム・制作会社への依頼 |
1,000万円以上 | 大規模で自由なサイトリニューアルが実現 |
なお、外部へ委託する際は、3社以上の制作会社から見積もりを取って比較検討するようにしましょう。
上記の相場額や依頼内容などは、以下の資料で詳しく紹介しています。無料ダウンロードの上、ご覧ください。
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【ポイント4】無理のないスケジュールや納期になっていないか
最後のポイントは、無理のないスケジュールや納期を設定することです。
一般的に、サイトリニューアルは半年〜1年以上かけて行う作業です。特に通常業務と並行して実施する場合、途中で息切れしないように事前の入念な準備が求められます。
また、外部に委託する場合も1ヵ月でリニューアルを行うなど無理のあるスケジュールになっていないか、委託先とどういった流れでリニューアルを進めていくかしっかり話し合っておくことが重要です。
サイトリニューアルは、金銭面だけではなく人的にも大きな負担がかかる作業ですので、リソースに余裕を持った計画を立てるようにしましょう。
ECサイトをリニューアルするときの具体的な5つの手順
最後に、ECサイトをリニューアルするときの5つの手順について見ていきましょう。
【手順1】課題の把握をし、課題を解決するために必要なことを洗い出す
最初に実施すべきは、課題を把握して解決に必要なことを洗い出す作業です。
例えば、ECサイト運営者の中には「カゴ落ちの多さ」を課題に感じている人も少なくありません。
カゴ落ちを防ぐためには、下記のような対策が必要になります。
- ワンクリック注文のように、購入までの過程が少ない設計にする
- カゴ落ちメールを送り、カートに残ったままの商品を知らせる
このように、サイトが抱える課題を把握し、必要な解決策を洗い出す作業が最初のステップです。さらに、課題を解決した後は、下記のように具体的な数字でゴールを設定することも重要です。
- 売上を20%アップさせる
- リピート購入率を10%向上させる
具体的な数字があると、ゴール達成に向けて必要なことが見つかりやすくなります。また、課題解決や目標達成に向けて必要なことを洗い出せれば、リニューアル時の優先順位も明確化しやすいです。
【手順2】実際にリニューアルの作業にあたるチームの発足や依頼先の選定
次に、リニューアルの作業にあたるチームを発足させます。
ECサイトリニューアルは大きな負担がかかる作業であるため、専門チームを発足させて社内体制を整えることが重要です。依頼先を選定するときは、複数社を比較しながらコスト面だけではなく「実績や強み」なども確認しましょう。
大抵の場合、問い合わせフォームから連絡を取ると営業担当から連絡が届きます。なるべく具体的に自社の目的やコンセプトを話して、合う会社かを確かめてください。また、必要に応じてコンペを開き、リニューアルの意図を多く汲み取ってもらえる会社へ委託するのも効果的です。
【手順3】作業にあたるチームと要件定義を行う
続いて、作業にあたるチームと要件定義を行います。
要件定義は、サイトリニューアルで最も重要となる部分です。要件定義では、サイトに実装する機能や全体のコンセプト、費用感やスケジュールの要望などをまとめます。
このときのポイントは、下記のように必要な要件が制作会社に正しく伝わっているか確認することです。
▼確認のポイント
- サイトリニューアルの目的(課題や改善後の目標)
- サイトリニューアル後のサイトコンセプト(ターゲットや伝えたいメッセージ)
- サーバーやドメインなどのインフラ環境(ドメインの変更の有無など)
- リニューアルの公開日時(全体のスケジュールや進捗の共有)
など
なお、要件定義のやり方や確認ポイントの詳細は、以下の記事で紹介しています。ぜひ参考にしてください。
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サイトリニューアルを進めていると、関係者からの要望で改修箇所が膨大になってしまったり、リニューアル期間が延びてしまったりしがちです。そう... サイトリニューアルの要件定義を解説!9つの必須要素とは? - www.seohacks.net |
制作会社と上手く連携が取れていないと、開発後に「依頼したとおりできていない」とトラブルを招く恐れがあります。トラブルを防ぐためにも、しっかりとドキュメントに残し、言った言わないの問題が発生しないように注意しましょう。
【手順4】リニューアルしたECサイトに商品の移行やデータの整理を行う
続いては、現行サイトからリニューアルしたサイトにデータを移行します。
移行するデータの例は、下記のとおりです。
【現行サイトからリニューアルサイトへ移行するデータの例】
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エクスポート機能が付いているCMSもありますが、エクスポート手段がない場合は、すべて手作業での移行が必要になることも考えられます。
そのため、現行サイトのデータを「テキスト」や「CSV」などの一般的な形式でエクスポートできるのか、事前に確認しておくことが重要です。
【手順5】リニューアルしたECサイトの公開や告知を行う
最後は、いよいよリニューアルしたECサイトの公開です。
このとき、何も告知をしないまま公開すると、既存ユーザーが戸惑ってしまいます。そのため、公開前と公開後にはメールやSNSなどを活用して「リニューアルのお知らせ」を周知するようにしましょう。
ただし、「◯月◯日サイトリニューアル」と早く周知しすぎると、納期に間に合わせることを優先しがちになります。納期に余裕がないと、テスト不足や単純ミスなどを招きやすくなってしまうため、周知するタイミングも含めて余裕のあるスケジュールを組むことが大切です。
ECサイトをリニューアルしてユーザーの利便性を高めよう
ECサイトを運営していると、いつか必ずリニューアルを必要とするタイミングが訪れます。
ユーザーの利便性を高めるためにも、この機会にサイトリニューアルを実施されてみてはいかがでしょうか。
なお、ナイル株式会社では、サイトリニューアルに関してお客様からよく届く質問と回答をまとめた「サイトリニューアル1問1答」を配布しています。資料は無料ですので、気になる方は下記のフォームよりダウンロードください!
- サイトリニューアルはどのようなタイミングで行うべきか?
- サイトリニューアルを行うには、どのような手順を踏むべきか?
- サイトリニューアル時に注意することは?
など、よく寄せられる質問を中心に回答しています!具体的な内容については、ダウンロードの上、ご確認ください。
ECサイトのリニューアルで注意すべきポイントは?5つの手順も解説は【お気軽にご相談下さい】ナイルのSEO相談室で公開された投稿です。