グーグルは、奇妙なロゴ、エープリルフールのジョーク等、冗談が好きなことで有名である。今回は、今年のイースターの休日を祝うため、グーグルのエンジニア達が、時間を割いて自分達を追い詰めようとする積極的なユーザーのためにひた隠しにしている「イースターエッグ」を紹介する。
イースターエッグとは、バーチャルなイースターエッグのことであり、意図的に隠されたメッセージ、分かる人にしか分からないジョーク、または、コンピュータプログラム、ウェブページ、ビデオゲーム、映画、本、または、クロスワード等の機能のことを指す(ウィキペディア)
典型的な例: アニメーションの回転する3Dのイースターエッグ(クリックすると回転するイースターエッグを見ることが出来る)。
しかし、通常の「イースターエッグ」、作品の中に隠され、見つけるためには探しまわらなければいけないアイテム、そして、特定の出来事や重要な出来事を祝うために、グーグルが有効にする特別な機能との見分けがつかなくなることもある。後者をイースターエッグと呼ぶ人達は多いが、この類のアイテムは、期間限定で公開され、グーグルがスイッチを切ると見つけることが出来なくなってしまう。
「xmas」や「christmas」等は、「一時的な」イースターエッグであり、グーグルは、この検索に対して、祝日に当たる期間において、検索バーの下にカラフルな一連の光等を表示する。同じように、ほぼ同じ時期に「hanukkah」を検索すると、ダビデの星のような形の光の列が現れ、また、「kwanzaa」を検索すると、キナラの蝋燭が浮かび上がる。
確かに楽しいものの、私個人は、「本来」のイースターエッグではないと思っている。そこで、この投稿では、いつでも検索して、見つけることが可能な「恒久的」なイースターエッグに絞って紹介していく。大半のイースターエッグは、巧妙なだけでなく、楽しい: これから紹介する例の中にも多く含まれているが、中には特別な知識が必要とされるイースターエッグもある。
注記: 上の回転する卵を含む、この投稿で紹介するグーグルイースターエッグの一部を見るには、ブラウザの最新版が必要である。グーグルクロームでは全て正常に動作するものの、ファイヤーフォックスやその他のブラウザでは、動作しないものもある。
グーグル検索のイースターエッグ
“Tilt”または“Askew“の検索
グーグルは検索結果をクエリを文字通り理解して、斜めに表示することがある。“askew(斜め)”または“tilt,”で検索を行うと、結果が若干傾いた状態で表示される。ここではSEOによる操作は関係なく、「通常」の検索結果として動作するものの、ただ単に傾いて見えるだけである(日本語「斜め」で検索しても同じ結果になる)。
“Recursion“の検索
ウィキペディアによると、“recursion(再帰) …は、同じ方法でアイテムを反復するプロセスを指す。再帰が最もよく利用されるのは、数学とコンピュータ科学であり、記述しているものそれ自身への参照が、その記述中にあらわれると定義されている。当然、グーグルはもしかしてrecursion?と尋ねる(日本語で“再帰”と検索しても同じ結果になる)。
“the answer to life the universe and everything“の検索
名作「The Hitchhiker’s Guide to the Galaxy」の中で、著者のダグラス・アダムスは、“the answer to the ultimate question of life, the universe and everything is 42(生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答えは42)”と綴っている。長年に割って、数字「42」に隠された意味を解読しようとする試みが行われてきたが、アダムズ自身が、後に「答えは簡単だ。あれはジョークだった。数字、しかも、普通の小さな数字にする必要があり、42を選んだ。2進法やら、ベース13やら、チベットの僧侶やら、すべてナンセンスだ。」と語っていた。「机に向かい、庭を見つめ、42でいいやと思った。そして、42とタイプした。それだけだ。」ナンセンスであれ、どうであれ、グーグルの計算機はこのクエリに対して、42を返す(日本語でも同じ結果になる)。
“do a barrel roll“の検索
バレルロールとは、航空機のマニューバであり、パイロットは一定の高度を維持し、 – 樽の内側で飛行機の着陸装置が回転するように – 前進しながら、360度機体を回転させる。 グーグルは、検索結果を360度のループを介して「回転」させ、詩情豊かな捉え方をしている。
“zerg rush“の検索
“zerg rush”(ザーグラッシュ)とは、テレビゲーム「スタークラフト」で生まれた、レベルの低いグループ、または、装備の薄いグループが敵のグループに一斉に襲い掛かり、圧倒する戦法である。「zerg rush」で検索をかけると、「0」を使った一斉攻撃が行われ、最後にGood Gamesの略「GG」が表示される。ちなみに、0を3回クリックすると、0を倒すことが出来るものの、あらたな集中攻撃が行われ、ページの下から検索結果が破壊されていく。
“conway’s game of life“の検索
英国の数学者、ジョン・ホートン・コンウェイは、「細胞」が時間の経過とともに相互に作用し合い、進化していく段階を見ることが出来る、「生命」のコンピュータによるシミュレーションを初めて考案した人物である。コンウェイの「game」はとても単純であり、プレイヤーは細胞の初期形態を作り、作動させ、後は進化を観察するだけだ。このシミュレーションは、様々な分野のコンピュータサイエンスのリサーチで用いられてきた。
“anagram“の検索
anagram(アナグラム)は言葉遊びの一つであり、創造力が必要とさる。そして、「ルール」厳守のゲームである。アナグラムは、ワードやフレーズを、同じ文字を順序や並びを変えて、別のワードやフレーズに変えるゲームである。優れたアナグラムは、語呂合わせや風刺(例えば、old west actionのアナグラムである「Clint Eastwood」等)に変わる。長年に渡って放映されているテレビ番組 Doctor Whoの文字の順番を変え、別のフィクションの番組 tourchwoodにすることも出来る(anagram dr whoで検索)。
“define anagram“の検索
グーグルは、「define」(定義)で始まるクエリの辞書の定義を提示する。定義は、ワードのタイプに関する情報、発音、そして、時には正しい発音を聞くことが可能なオーディオへのリンクを提供している。「define anagram」で検索をかけると、グーグルは素晴らしい「もしかして…」を提供する。
“bacon number [俳優の名前]“の検索
これは「六次の隔たり」と呼ばれるセオリーであり、全ての人や物は6人以下の仲介者によってつながると主張する考えである。このセオリーを利用した「ケビン・ベーコンとの六次のつながり」は、俳優を6人以下の仲介者でつなぐ遊びがある。「bacon number」の後に俳優の名前を入力し、検索をかけると、グーグルは、ケビン・ベーコンからの距離を計算する。
グーグルの計算機イースターエッグ
グーグルの計算機を、検索エンジンの拡張機能として考えて – 検索ボックスに数式を直接入力すると、検索結果の上に答えを表示してもらえる。以下に計算機能を使った楽しいグーグルイースターエッグの例を幾つか紹介していく:
“binary“の検索
“binary”を検索すると、結果の数が、通常の10進法の数ではなく、2進法(binary)で表示される。“hexadecimal”(16進法)や“octal”(8進法)でも同じような結果になる。
“once in a blue moon“の検索
グーグルは、数字に関連する決まり文句に対しても、有益な結果を用意している。“once in a blue moon”で検索を行うと、“1.16699016 × 10-8 hertz” が答えとして提供される。この結果を秒から年に変換すると(1ヘルツは1秒当たり1サイクル)、2.7年になる – これは「blue moon」(青く見える月)が発生する日の間隔を表している。「blue moon」と言うフレーズは、月の色とは全く関係がない。1ヶ月の間に2度満月が見られる月のことである。この月は、太陰周期とカレンダーを駆使して計算すると、約3年に一度のペースでやって来ることが分かる。
また、“a bakers dozen“(パン屋の1ダース)、“the loneliest number”(曲「One is the Loneliest Number」より)、そして、“the number of horns on a unicorn”(ユニコーンの角の本数)等の数字に関するフレーズでも、面白い結果を得ることが出来る。
数学が大好きなら、グーグルが計算し、上のイースターエッグのように、分かりやすいグラフを表示する複雑な数式を自分で作ることが出来る。
以下の数式を検索すると次のグラフが表示される:
sqrt(cos(x))*cos(300x)+sqrt(abs(x))-0.7)*(4-x*x)^0.01, sqrt(6-x^2), -sqrt(6-x^2) from -4.5 to 4.5
バレンタインデイのイースターエッグにピッタリだ。
グーグルマップの楽しいイースターエッグ
検索結果だけではなく、グーグルはマップの検索結果でも質と精度を高めるべく、日々努力を重ねている。それでも、優秀なプログラマー達は、地図の検索結果にもイースターエッグを埋め込んでいる。基本的に害はなく、楽しいものばかりである。地図の結果でイースターエッグを表示させるには、通常のイースターエッグと比べて難しい。そのため、リンクを提供するのではなく、皆さん自身で結果を再現することが出来るように、スクリーンショットとルート・乗換案内を掲載しておく。まずは、グーグルマップにアクセスする必要がある。
徒歩: The ShireからMordorへ
- グーグルマップのホームページで、ルート・乗換案内をクリックする
- Aには“The Shire”、Bには“Mordor”と入力する
- 青い検索ボタンをクリックする
- “徒歩”アイコンをクリックする
徒歩で中国から日本へ
- グーグルマップのホームページでルート・乗換案内をクリックする
- Aには“China”、Bには“Japan”と入力する
- “検索”ボタンをクリックする
- “徒歩”アイコンをクリックする
ステップ300に注目してもらいたい: 太平洋をジェットスキーで横断する。
第三者のグーグルイースターエッグ
グーグルイースターエッグを作成しているのはグーグルだけではない。グーグルの経費で外部が作成したイースターエッグの例を挙げていく:
- グーグルグラビティは、グーグルのホームページを、まるでブラックホームが吸い込んだように、破壊する。
- グーグルスペース。グーグルのホームページがアングリーバード化する。
- グーグルスフィア。グーグルのホームページが天体のようにぐるぐる回る。
- Where’s Chuck Norris?(チャック・ノリスはどこ?)「グーグルはチャックノリスを探しません。なぜなら、チャック・ノリスは見つからないからです。逆にチャック・ノリスに見つけられてしまうでしょう。」と言う警告を受ける。
- エピック・グーグル。グーグルが巨大化する。
何か見過ごしているイースターエッグはあるだろうか?取り上げられていないイースターエッグをご存知なら、是非、コメント欄で紹介して頂きたい。
(ストックイメージ: Shutterstock.com – ライセンス契約の下利用している)
この記事は、Search Engine Landに掲載された「The Big List Of Google Easter Eggs」を翻訳した内容です。