Google、室内マッピング用バックパック「カートグラファー」を披露

ここ数年Googleマップの進化を見守っている人なら、Trekkerをご存じだろう。ストリートビュー用カメラ一式を備えたバックパックで、グランドキャニオンでのハイキングから、南極のペンギンコロニーまで、あらゆる物をマップにする。今日、Googleマップツール・ファミリーに新しいバックパックが仲間入りした:室内マッピング用カートグラファーだ。

カートグラファーでは、 “simultaneous localization and mapping“(SLAM)というプロセスを使用する。これは、自己位置推定と環境地図作成を同時に行う技法で、Googleはこれを、ホテルから美術館まであらゆるもののマッピングに利用しようとしている。

パックパッカーが建物の中を歩くと、フロアプランがリアルタイムで自動的に作られる、とGoogleは言っている。使用者は建物内を歩き回りながらタブレットで追加情報を登録できる(ホテルのルームナンバーや美術館の展示物等)。

すでにGoogleマップには、カートグラファーを使って作られた室内マップが6ヵ所登録されている。サンフランシスコのJW Marriott、San Jose Marriott、Museum of Children’s Arts、ミュンヘンのドイツ博物館の航空部門、San Francisco Marriott Marquis、およびDiscovery Museumだ。Googleによると、39階建てのSan Francisco Marriott Marquisのマッピングに、わずか数時間しかかからなかった。

このバックパックは、最新バージョンのTrekkerと比べて見映えがよいとは言えない。実際その外観は、センサーをいくつか内蔵したメタルプラットフォームにデスクトップPCをネジ止めしたように見える。

しかしここ数年Googleは、改善された室内マップの提供かなり関心を持っており、利用可能地域は急速に増えている。ビルオーナーが自分でマップをアップロードすることもできるようになった。

GoogleがProject Tangoで使っているタブレット(開発者向け)は、非常に高度な3Dセンサーを備え、室内環境のマッピングにも使用できる。しかしGoogleは、このプロジェクトはProject Tangoとは全く別物であると言っている。バックパックには、マルチエコー・レーザースキャナー(Googleの写真を見るとこの4500ドルのユニットが2台) と慣性計測装置が装備されている。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。