クラウド会計ソフトのfreeeは25日、第三者割当増資を実施し、総額6億3000万円を調達することを明らかにした。引受先はシンガポール政府が所有する投資会社Temasek傘下のPavilion Capitalとリクルート投資子会社の2社。freeeはシードラウンドから数えて4度目の増資。これまでに合計17億5000万円を調達したことになる。
シンガポールの投資会社を選んだ理由
過去の資金調達ではシリコンバレーに拠点を置くDCMから出資を受けていたfreeeだが、なぜシンガポールの投資会社なのか? この点についてfreee代表取締役の佐々木大輔は、次のように説明する。
「すでにSaaSのビジネスモデルに親しみがあるため話が早く、サービス展開の建設的な話もできる。投資サイズも大きい。将来的な海外展開を考えるとアジアが主戦場になるので、アジアに強い知見を持つ投資家がベストという結論になった。」
シンガポールは、GoogleやFacebookがアジアのヘッドクォーターを構えるなど、アジアの中心地としての意味合いもある。freeeはこの地にアンテナを張ることで、ビジネス上に大きなメリットがあると見ているようだ。
リクルートとはプロダクトと営業面で協業
リクルートとは既に、リクルートライフスタイルが提供するPOSレジアプリ「Airレジ」に入力した売上実績を、freeeに自動的に会計データとして取り込むなどの連携を実施。今回の出資に伴い、リクルートグループ横断でプロダクトや営業面での積極的な協業も検討する。
あわせて同日、クラウド会計ソフトのfreeeに経費精算機能を追加した。freeeを導入する会社の従業員はどこからでも経費精算の申請ができ、会計ソフトへの仕訳もシームレスに登録できる。経費精算はiPhoneアプリからのレシート写真登録にも対応している。
調達した資金では、中小企業を中心とする法人向けの開発・サポート体制を強化する。5月にベータ版としてリリースした「クラウド給与計算ソフトfreee」もまもなく本格的に事業化する。