新しい「ドライ」心電センサーが、ウェアラブル医療機器への道を開く


ノースカロライナ大学の研究者らが、「ドライ」心電センサーを開発した。患者の心臓の状態を高精度で監視し、長時間装着することが可能だ。従来の心電センサーは、患者の皮膚との間に濡れたゲル物質を介在させる必要があり、長時間装着することができなかった。新型のセンサーは皮膚に装着され、情報を携帯デバイスに送信することによって、心臓の挙動をより詳細、高精度に監視する道を開く。

「過去数年間、他にもドライ電極が開発され、中にはウェット電極に対抗する可能性を示すものもあったが、われわれの新しい電極は、既存のドライ電極の殆ど ― あるいはすべて ― よりも信号品質が優れている」と、同大学機械・宇宙工学部准教授のDr. Yon Zhuは語った。「さらに、われわれの電極は頑強であり、それはポリマーの中に細いワイヤーを組み込んでいるからだ」

センサーは現行の心電計と互換性があるが、移動する患者にも利用できるため、ポータブル機に最適だ。価格が安いため貼ったまま忘れてしまってもよい。「センサーの原材料費は既存のウェットセンサーと変わらないが、製造プロセスを改善してさらに全体コストを下げる方法を検討している」とZhuは言った。

これは、ウェアラブルの世界にとって興味深い参入だ。Bluetoth塔載の低電力デバイスを、半恒久的な心電計と接続することによって、運動能力や心臓に障害のある患者が、自分の限界や潜在能力を知る手助けができる。従来のウェット電極と異なり、本当にウェアラブルなので、長時間、就寝中でも着用したままでいられる。本システムは、銀製ナノワイヤーのメッシュをポリマーで包むことによって作られており、大きさは25セント硬貨(約24 mm)くらいだ。

via Eurekalert

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook