少なくともIT業界では、企業が従業員に福利厚生を提供することに対するプレッシャーが今ほど高い時はない。しかし、概してスタートアップには、大企業のようなレベルの特典を与える能力がない。それを手助けしようと立ち上がったのが、自身もスタートアップであるAnyPerkだ。
AnyPerkは、あらゆる規模の会社が従業員に福利厚生や特典を与えるためのプラットフォームを作っている会社で、今日850万ドルの資金調達を完了したことを発表した。
AnyPerkのシリーズAとなるこの調達ラウンドは、DCM Venturesがリードし、Digital Garageが参加した。資金調達に伴い、DCMのパートナーである本多央輔氏が取締役に加わる。この結果AnyPerkへの投資額は計1300万ドルになった。
CEOの福山太郎氏によると、AnyPerkは昨年夏に完了したシードラウンド以来200%以上伸びており、現在米国内に「数百社」のクライアントを持つ。AnyPerkは、2012年にY Combinatorを巣立ち、サンフランシスコを拠点に現在45名の従業員を抱える。
同社はこの資金を元に、モバイルアプリに従業員の気づいていない特典を知らせるプッシュ通知機能を追加する(例えば、AnyPerkのクライアントであるLyftの従業員は、AMCシアターで40%の割引が受けられることを映画館で通知される)。またベータ版機能として、マネージャーや同僚が、AnyPerkプラットフォームを使って現金またはギフトカードの形で臨時ポーナスを贈る機能を開発している。
なお、福利厚生プラットフォームを提供している会社はAnyPerkだけではない。数年前、BetterWorksという会社が同様のコンセプトで1050万ドル調達したが、結局 2012年5月に閉鎖した。このアイデアは、アジアでの方が長続きするようで、シンガポール拠点のRewardz、日本のBenefit One、およびマレーシアのPerkPoolが知られている。いま新たな資金と勢いを得たAnyPerkは、そのビジネスモデルをここ米国に定着させようとしている。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)