ネット上の反応はイマイチ芳しくないKDDIのスマホポータル構想「Syn.」だけど、着々と進化を遂げているようだ。2月18日、月間ユーザー数6000万人(PCとスマホを含む)を超えるグルメサイトの食べログが「Syn.alliance」に参加することとなった。
Syn.は、連携するスマートフォンアプリやウェブサービスに、「Syn.menu」と呼ぶ共通サイドメニューを提供し、連携する各アプリ・サービス間でユーザーを相互に送客するポータル構想。これまで、連携アプリ・サービスの合計月間ユーザー数は約4100万人だったが、食べログなどが仲間入りしたことで、一気に合計ユーザー数が延べ数ではあるが1億人を突破した。
食べログを運営するカカクコムが手がける旅行口コミサイト「フォートラベル」、レシピサイト「レシぽん」、映画情報サイト「映画.com」の3サービスにもSyn.menuを設置。2月25日には、はてなのブログサービス「はてなダイアリー」もSyn.に加わり、合計20アプリ・サービスと連携することとなる。
ターゲットは非・テック層
スタート時には「使わないサービスをワンパッケージにされても・・・」「メリットが何一つ理解できない」といった微妙な反応が見られたSyn.だが、KDDIで同構想を主導する森岡康一氏は昨年11月に開催した弊誌イベントで「テックエリート」は相手にしていないと発言。むしろ、ITに疎い人たちに向けてのサービスであるとアピールしていた。
Syn.連携アプリ・サービス間での相互送客数は明かされていないが、森岡氏の言葉通り、非・テック層では、ある程度の相互送客が行われているようだ。ファッションアプリ「iQON」を手がける金山裕樹氏は以前の取材で、「アプリを自分で探さないようなマス層にリーチできるのが大きい」と手応えを語っている。今回、食べログが参加したことで、こうした相互送客がさらに増えるのかもしれない。