いろんなソフトウェアやサービス、データソースなどを統合して一本化するプラットホームMuleSoftが今日、1億2800万ドルという巨額な資金調達を行った。
そのシリーズGのラウンドを仕切ったのはSalesforce Venturesで、ServiceNowとCisco Investmentsが参加した。またそのほかに、Adage Capital Management、Brookside Capital、Sands Capital Venturesなど、主に上場企業を対象にしているファンドも加わり、さらにこれまでの投資家NEA、Lightspeed Venture Partners、Meritech Capital Partners、Bay Partners、Hummer Winblad Venture Partners、Morgenthaler、およびSapphire Venturesも加わった。
投資家の数がとても多くて、その顔ぶれもさまざまだ。これで同社の総調達額は、2億5850万ドルという途方もない額になる。これだけ大きな資金調達は、通常、IPO近しの兆候だ。
MuleSoftのCEO Greg Schottはこう語る: “公開企業向けの機関からの投資を受け入れる決定をしたのは、そういう関係を築きたかったし、公開市場の投資家たちのやり方を知りたいと思ったからだ”。
彼によると、確かに規模的には公開企業になってもおかしくないし、今回の資金調達をその方向へのステップと取られてもしょうがないが、当然ながらその日程等を今明らかにすることはできない。彼曰く、“Q1の決算からの予測では、今年の年商は1億ドルに達するだろう。うちは急成長しているし、上場してもよい規模だ。すでにその気はあるから、残る問いはそのタイミングだ”。しかし現時点では、プライベートラウンドで資金を調達して成長を継続するべき、と彼は判断したのだ。
MuleSoftは、さまざまなアプリケーションやデータやデバイスを結びつけるプラットホームを提供している。確かに、今、そういう需要は多い。今回のように多数かつ多様な投資家が、同社の継続的な成長に関心を示すのも、当然だ。
Schottによると、20年か30年ぐらい前までは、企業は一枚岩的なアプリケーションを作って、それにありとあらゆる複雑なことをさせていた。でも今では、あらゆるものが細切れになっている。そういう細片をうまく糊付けして使うのが、今のやり方だ。各細片は、どこかのSaaSのこともあれば、何かのアプリケーションのこともあり、あるいはインターネットに接続されたデバイスのこともある。非常に多様だ。
同社が急成長している理由も、いろんなものを互いに接続して使うという需要が、今はものすごく大きいからだ。MuleSoftのプラットホームを利用すると、それが簡単迅速にできる。各部を結びつけるためにいちいちコードを書かなくても、MuleSoftがすべて、面倒を見てくれる。
ServiceNowやSalesforceのようなSaaS企業がMuleSoftに関心を持つのも、そのためだ。彼らは、顧客がさまざまなサービスを縫い合わせることの重要性を、よく理解している。オープンなAPIがあるだけでは、それらを使いこなす仕事がたいへんになるが、MuleSoftのようなミドルマンがいれば、複数のサービスをまとめてくれるのだ。
“うちはAPIも提供しているから、コードを手書きする必要がない。それによってITのコストが下がり、顧客企業内の開発過程もスピードアップする”、と彼は述べる。