Amazon’sのCEO、Jeff Bezosは2000億ドル企業になるためには、Amazonは洋服と食品の売り方を学ぶ必要があると強調した。食品販売ではAmazon Freshの取り組みにより堅調な成長を見せているが、今回、洋服の分野でも新たな施策を打ち出した。
Amazonはロンドンのショーディッチにフォトスタジオを新設した。4万6000平方フィート(およそ4275平方メートル)の敷地内に22の撮影場所があり、Amazonによると、ヨーロッパでも最大級の撮影スタジオであると言う。毎年50万以上の洋服の画像を自社サイトに掲載する助けとなる。
上記の写真から見て取れるようにスタジオはレンガ造りの建物だ。Hoxton鉄道の高架下に1850年に建設された。 ロンドンの交通局のTransport for Londonより貸し出されている。
Amazonが目をつけるまで、この場所は放置されたままだった。以前はガラス製品の工場や蒸気機関車の製造と修理場として利用されていた。そう聞くと、この場所は繊細で流行に敏感なファション業界を象徴し、Amazonの機械駆動のような成長と野望を進める場所に相応しいように思える。
今回の動きは、Amazon.comとイギリス、フランス、イタリア、スペインで保有するサイトを通してファション関連商品の販売を加速させる施策の一つだ。同社によると、2014年にHugo Boss、Gucci watches、Emporio Armani、Calvin Klein、Tommy Hilfiger、7ForAllMankind、American Retro、Petite Bateau、Levi’s、Lacosteを含め、100の新規ファションブランドをプラットフォームに追加したと言う。
オンラインでのファッション販売は、ヨーロッパでは既に大きいビジネスに成長している。高級ブランドを多数擁するLVMHのようなコングロマリット企業やRocket Internetもこの分野に大型投資を行っている。Net a PorterやASOSといったスタートアップも大きな成果を達成しているし、Farfetchも堅調に成長を続けライバル企業になりつつある。つまり、Amazonはとても混み合っている市場に入ろうとしているということだ。
撮影スタジオの開設はAmazonの商品販売を二通りの方法で補強することになるだろう。自社のマーケットプレイスにおける、自社が抱える商品の販売促進とサードパーティーの商品の販売促進につながるということだ。同社は、4月から6月の間、ヨーロッパで3000万点以上のファッション商品を販売したと伝えている。Amazonはいつも通り、それがいくらの収益になったかは開示していない。
「私たちの目標はAmazonをオンラインでファション商品を購入するのに最も適した場所にすることです」とAmazonのFashion EUのVPを務めるSergio Bucherは声明で伝えた。「新しいファッションスタジオをファッションの中心地の一つと言える場所で開設したことは、私たちの野望を象徴しています」。
写真に加え、スタジオには編集室もある。そこは動画編集やライブラリーとしての機能を持ち、更にはプラットフォームに商店や広告主を呼びこむことを任されたAmazonのファッションスタッフのオフィスとしての役割も果たす。
Amazonは、ロンドンのテクノロジー業界の成長を後押しする強い勢力だ。Amazonは、元のOfficeのドラマシリーズの舞台にもなった平凡なロンドンの郊外都市スラウにあるロンドンオフィスをロンドンの金融の中心地の端に位置する15階建のビルに移転するという重要な計画も打ち出している。新オフィスは5000人の従業員が働ける広さだ。
新設したフォトスタジオには35の新規の求人と繁忙期には更に75の求人が追加されるそうだ。Amazonはファッション業界で、有力ブランドとしての立ち位置を確立しようとしている。今年の2月、Council of Fashion Designers of Americaは、Amazonが、初めてニューヨークでの開催が予定されているメンズウェアのファッション・ウィークの主要なスポンサーになったことを発表した。
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