Ohmは、今乗っている車で使える、軽くてスマートな自動車バッテリー

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おそらく、ふだん思い出すこともないだろうが、自動車のバッテリー ー 車のエンジンを始動するのに使うあの嵩張る箱 ー は、かなりひどい代物だ。

やつらは予告なく死んで、人々をを立ち往生させる。重さは小さな子供ほどもあり、交換は一苦労で燃費も悪くする。その中には地球に優しくない廃棄物が詰まっている。

しかし、それなのに、バッテリーのテクノロジーは過去数十年間あまり変わっていない。

OhmはY Combinater 2015年夏学期に参加中のスタートアップで、これを変えようとしている。それは、より軽くスマートな、今あるものを簡単に置き換えられるバッテリーだ。

殆どの自動車バッテリーの重さは40ポンド(約18kg)ほどで、鉛の板が重さの半分以上を占める。

Ohmは、仕事をこなしつつこれをわずか6ポンド(2.7 kg)にした。

どうやって?

鉛板の代わりに、Ohmはより近代的な二部構成からなるシステムを採用した:EDLC[電気二重層コンデンサー]がエンジンの始動に十分なエネルギーを放出し、小型バッテリー(LiFePO4電池(リン酸鉄リチウムイオン電池。有毒な重金属を含まない)一式がエンジンの止まっている間給電する。

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Ohmバッテリーの設置面積は、鉛蓄電池と比べてはるかに小さい ー しかし、現存する車のエンジンルーム内を跳ね回らないために、他の自動車バッテリーとほぼ同じ寸法のケースに入れた(グループ35規格と同等)。

余分なスペースを無駄にする代わりに、彼らはもう一つ
技を組み込んだ。「スマートさ」だ。

ライトを消し忘れてバッテリーが上がった時の苦痛は誰でも知っている。Ohmの内蔵回路は、コンデンサーの出力能力を監視して、エンジンを始動できなくなる直前に、自らを切断する。ライトは消え、ラジオは静かになる ー しかし、次にキーを回せば、すべてが生き返り、ブースターケーブルは必要ない。

しかも、その寿命(7年間)は、鉛蓄電池(3〜4年)のおよそ2倍だ。

では、不都合な点は何なのか?弱点はあるはず、そうだろう?

一つある。エンジンを切った状態で、ライトやステレオを長時間使うことはできない。Ohmのバッテリー容量は10 Ahだが、殆どの鉛蓄電池は約45 Ahある。

もし今のバッテリーで、エンジンを切ったままステレオを3時間聞けるとすれば、Ohmでは1時間以下になる。

しかし、上で述べた内蔵スマート機能おかげで、バッテリーが上がるまで使うことはない。

目標価格は200ドル程度だと会社は言っている ー 地元のカーショップで払う金額(120〜180ドル)の一番上の方。Ohmの寿命が約2倍であることを考えると、この価格でもやっていけるだろう。

しかし、人は自動車バッテリーのような物について、先を見越して計画するものだろうか? 多くの、いや殆どの人が、「わからないから手頃な値段でこの車に合うものをくれ」と言うだけだろう。

それを考えて、Ohmはまずパフォーマンスカー市場に焦点を合わせる。ほんの少し性能を上げるために助手席をひっぺがすような連中だ ー つまり、もう30ポンド削ろうというアイデアは、おそらく歓迎されるだろう。

詳しく知りたい人へ。Ohmは現在プライベートベータテスト中で、10台前後が世にでている。来月頃にはクラウドファンディングを開始する予定だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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