Uberにもし料金急騰システムがなかったら、信頼あるサービスにはなりえなかっただろう。まあ少なくともそれが、料金急騰に関する最近の調査報告でUberが言っていることだ。料金急騰(surge pricing)とは、Uberの乗車需要が高まっているのに、路上にいるドライバーが足りない時に起きる料金の急上昇を指す。
「料金急騰のないUberは真のUberではないことがわかった ― ボタンを押して数分後に乗ることはできない」とUberの研究員、Jonathan HallとCory KendrickはUberブログに書いた。
これを確かめるために、HallとKendricはシカゴ大学ブースビジネススクールのChris Noskoマーケティング担当准教授と共に、昨年の大晦日にニューヨークで料金急騰システムが26分間ダウンした際に何が起きたかに注目し、類似の需要を示すシナリオ(アリアナ・グランデのコンサート終了時)と比較した。
大晦日に急騰システムが止まった時、Uberの予想待ち時間(ETA)は著しく上昇し、乗車完了数は減少した。実際、配車を要求した人々の25%は乗ることができなかった。
「ドライバーたちにとってUberの魅力は減少し、一方乗客の配車要求は増加した。それはドライバーの真の供給力と他の輸送手段との間の適正な経済的トレードオフを強制する料金体系が機能していなかったためだ」とHallとKendrickは書いている。「このような問題のために、実車率は劇的に減少し、待ち時間は増加する結果となり、経済効率的にシステムは破綻した」
これを、急騰料金システム稼動時のUberシステムの活発度と比較されたい。
つまり、Uberの料金急騰システムはユーザーにとって有用ということらしい。ただし、別の研究報告は、急騰料金が実際には路上のドライバー数を増やしていないことを指摘している。代りに、既に路上にいるドライバーを再配置しているだけだという。もしそうであれば、他の近隣地区の乗客が長時間待たされているだけだ。Uberのアリアナ・グランデの例では、マシソンスクエアガーデンを含む長さ5アベニュー、幅15ストリート分の「限られた地理空間域内」の利用だけに注目している。つまり、ニューヨーク市の他の地域で待ち時間や実車率がどうなっているかは知ったことではない。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)