半年後の従兄弟の結婚式の当日の天気がわからなくて落胆する人間は今のところあまりいない。しかし将来はどうだろう? 実はそのような予測が可能になりつつあるのだ。
昨日(米国時間10/27)、われわれのTechCrunchラジオの人気番組でWeatherPlannerというスタートアップが来年の今日の天気がどうなるか予報するテクノロジーについてプレゼンした。
予報の仕組みはおおむねこうだ。サービスはカバーする地点の100年分の気象情報を収集し、一般的な季節ごとの傾向を把握する。予報を求められると、その日を中心に前後10日の気象履歴を詳しく分析するわけだ。この方法を使えばユーザーは大掛かりなイベントを雨の多い季節のど真ん中に設定してしまうという失敗を冒さずにすむ。WeatherPlannerによれば、このテクノロジーはすでにハンバーガーチェーンのMcDonaldやスーパーマーケットのWalmartのような、ビジネスが天気に大きく影響される企業に提供されているという。WeatherPlannerでは同じデータを一般にユーザーにも使いやすいユーザー・インターフェイスでパッケージしている。
スノーボードをしにでかけたところドカ雪に閉じ込められたなどいうのはありがたくないのでWeatherPlannerのサービスは魅力的だ。しかし常識的に考えて、天気というものは変わりやすいのではないだろうか? WeatherPlannerの予報はどの程度信頼してよいのだろう?
こうした疑問に対して同社のCEO、Jay Ciccaroneはこう説明する。
われわれのアルゴリズムは、1週間後の天気を予報するのとまったく同じ精度で1年後の天気も予報する。ただしこうした比較には注意が必要だ。1週間後の予報と1年後の予報では背後にある科学が異なる。われわれは異なる問題を解こうとしているわけだ。人が10日より先の天気を知りたいとすれば、結婚式、スポー試合、バケーションの旅行など、かなり大掛かりなことを計画している。われわれのテクノロジーを利用しているFortune 500の場合も同じで、WeatherPlannerは気象トレンドを正確に分析する。WeatherPlannerは今後、日常生活で普通のニーズに応えられるようテクノロジーを強化していきたい。
現在WeatherPlannerの一般ユーザー向けサービスは無料だが、同社ではB2B戦略に重きを置く考えだ。WetherPlannerではデータを他社に販売することを考えている。たとえば、自治体の市民サービス部局はWeatherPlannerのデータをもとに将来の結婚数の増減を予測し、それに応じて結婚許可書の発表など各種の事務の規模を調整できるだろう。
昨日、IBMは20億ドルでThe Weather Companyを買収することを発表した。これは気象データをめぐるビジネス規模が巨大化していることを明らかにしたものといえるだろう。WeatherPlannerのデータが同社の主張のように正確なものであれば、気象の長期予報というビジネスの中に確固とした地位を占めることなるだろう。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)