Magic Leapは、開発するテクノロジーを秘密にしておくことに成功している。彼らは拡張現実と仮想現実のテクノロジーを開発しているが、そのテクノロジーの全貌を明らかにはしていないし、プロダクトもまだリリースしていない。しかし、資金調達の具合は公然の秘密だ。本日、またその一部が明らかとなった。Magic LeapはシリーズCで7億9350万ドルを調達したと発表し、彼らのスポークスマンはMagic Leapの投資前の評価額は37億ドル、投資後の評価額は45億ドルとなったと私たちに伝えた。
まだ商業用プロダクトがローンチされていないにも関わらず評価額が45億ドルだ。
最新の投資ラウンドは、中国の大手Eコマース企業Alibabaが牽引した。既存投資家のGoogleとQualcomm Venturesも参加している。新規の投資家には金融業界の大手企業とエンターテイメント企業も参加していた。Warner Bros、Fidelity、J.P. Morgan、Morgan Stanley、T. Rowe PriceとWellington Management Coだ。(DisneyがMagic Leapに少しも関わっていないのを不思議に思うのは私だけだろうか?)
本日の発表で、Magic Leapがいつプロダクトをローンチするかの詳細を知ることはできなかった。彼らにその質問を尋ねてはいる。Magic Leapのファウンダーは、基本的な情報とこのスタートアップが同社のテクノロジーをどのように多種多様なデジタルメディアに届けるかを伝えている。
「Magic Leapでは現在、デジタルと物理的な現実感がスムーズに統合した全く新しい体験が得られる世界を構築しています。今回の資金調達で皆さんにMixed Reality Lightfieldの体験を届けるための開発を加速させることができます」とMagic Leap, Incのファウンダー、プレジデントでCEOの Rony Abovitzは声明で伝えた。「私たちは戦略パートナーとしてAlibabaを迎え入れられたことを嬉しく思います。Alibabaのプラットフォームを通して4億人以上の人にMagic Leapのプロダクトを届けることが可能となります」。
今回の投資ラウンドに伴い、AlibabaのJoe TsaiがMagic Leapの役員に加わる。
「私たちは市場をリードするプロダクトやテクノロジーを開発する先進的で革新的なMagic Leapのような企業に投資しています」とAlibabaのExecutive Vice Chairmanを務めるJoe Tsaiは言う。「AlibabaはMagic Leapをサポートし、互いから学ぶことも多くあるでしょう。Magic Leapのチームと共に働けるのを楽しみにしています」。
Alibabaの参加は、Magic Leapにとって財政面での強化となる他にAlibabaにとっても戦略的な意図が含まれているだろう。Eコマースの成長を妨げる大きな要因の1つは、ユーザーが自分自信の目で物理的な商品を見ることができないことにある。
AR体験が良くなれば、仮想空間で購入する物がどのようなものなのかユーザーはより近くで細かく見ることができるようになるだろう。上の動画を見て、手の中にあるのがかわいい像ではなく、例えばカメラや宝飾品や水着だとして、それをすぐに「試着」することができたらどうだろう。さらには、仮想の店舗を作り、ユーザーが現実の物理的な店舗と同じようにショップを見て回ることができるようになるかもしれない。
この投資ラウンドは突拍子もないことにように聞こえるかもしれない。特に現在の市場環境では、最も約束されたテクノロジースタートアップの価値も下がり、私たちの元には他にも多くの企業がそれに続くという話も聞く。しかし気が狂っているように見えてもそうなる理由があるのだろう。
Magic Leapはこのテクノロジーの開発に何年も費やしてきた。それもただ単にコードを書くだけでなく、処理能力や全く新しい物を開発するために必要な開発と検証の環境から整えてきた。それでもこれはギャンブルであることに違いない。他のテクノロジー同様、一時は高い評価を得ても、どこかの時点で価値が急落することもあるだろう。しかし今のところ、何か革新をもたらすだろう企業の価値はこの価格ということだ。
Magic Leapに投資している他の企業は、Legendary Entertainment、KKR、Vulcan Capital、Kleiner Perkins Caufield & Byers、Andreessen Horowitz、Obvious Venturesだ。これまでにMagic Leapは5億9200万ドルを調達している。
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