2015年1月にTechCrunch Japanで報じたけれど、ユーザーの第2の自己をクラウド上に作り出してユーザーの分身として受け答えしてくれるサービス「al+」(オルツ)を開発するオルツが、ジャフコから5億1700万円の資金を調達したと発表した。
人工知能の中でも人間のように受け答えをするボットがいまちょっとした注目を集めているが、オルツがフォーカスするのは同社が「パーソナル人工知能」と呼ぶ領域。SNSやメールなどのやり取りから、各ユーザーのその人らしさや知識を獲得して模倣することで、いずれユーザーの分身として簡単な受け答えができる、とするもの。
オルツはこれまでに日本はもちろん、米国、ヨーロッパ、ベトナムから人工知能関連の研究者を招聘していて、大学・研究室との共同研究も推進している。今回の増資により、国内外の研究者及び技術者の積極採用を進めるとしている。
応用分野やマネタイズについてオルツ代表の米倉千貴氏が以前の取材でTechCrunch Japanに語っていたのは、専門知識による対話コンサルティングを行うようなケースで生身の人間でなくボットが回答するケースや、コピー人格同士によるスケジュール調整などだった。Facebookのボットが原始的すぎる(というか期待しすぎだった?)とか、ボットはそこまで賢くない(自然言語処理でコンピューターが人間の言語を理解する段階にない)とか言う意見が出てきて早くも加熱したボット熱の調整局面というのも感じられるところだが、どこまで実利用で役立つものが出てくるのか注目だ。
オルツは5月12日に東京で、ジャフコと共同でパーソナル人工知能に関するカンファレンスを開催する予定で、そこで製品発表を行うという。人工知能学会会長で同社技術顧問の松原仁教授も講演するそうなので、こちらの様子についてもお伝えしたい。