このリストバンドをつけると指が受話器になる

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IFAのSamsungブースでいちばん面白い部分は、いちばん控え目な部分でもある。広い会場に並んだテーブルの上では、Samsung以外の製品が数多く披露されている。そこは巨大電気会社が企業の壁を越えてインスピレーションを求める完全なる小宇宙だ。

そこにいる会社は、IT巨人とつながりがないわけではない。多くは元Samsung社員や電話機メーカーのスピンオフが作ったスタートアップだ。その中でも特に興味をそそられたのがSGNLだ。設立2年のスタートアップ、Innomdle Labの製品で、数日前にKickstarterでデビューして以来、すでに目標の6倍を越える資金を集めている。

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SGNLは、腕時計(スマートでもそうでなくても)に付けるストラップだ。体内伝導を利用して、手首の振動を手、指を通じて最終的に耳へと伝える。シークレットサービス捜査員のように指を立てるだけで電話を受けられる。これの実用価値について私は100%の確信を持てないでいるが、2000人以上の支援者がビデオを見て一目惚れした理由は完全に理解できている。

そして、実際これは使える。リストバンドはマイクを内蔵しているので、携帯電話をポケットに入れたままで話すこともできる。音質は明瞭とは言えない ― この種の技術を使ったヘッドセットを試した人ならわかるだろうが、専用スピーカーのようには聞こえない。会場の騒音のせいもあるかもしれないが、デモの音声は第2次大戦でウィンストン・チャーチルが話したラジオの音くらいのクリアーさだった。

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面白いかといえば、イエス。必要かといえば、ノー。しかし、Kickstarterで必要かどうが問題になることは滅多にない。プロジェクトはまだ半月以上クラウドファンディング期間を残しているので、興味のある人はチェックされたい。支援者への出荷は来年2月の予定。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

投稿者:

TechCrunch Japan

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