先日FacebookとAppleは、社内に男女間の賃金格差はないと宣言した。すばらしいことではあるが、このような男女別の分析は単純化されすぎている。IT業界では、トランスジェンダーや一般的な性別のあてはまらない人々が未だに大きな賃金差別を受けている。
2015年12月から2016年2月にかけて、トランスジェンダーおよび性別のあてはまらない人々を支援、支持する非営利団体であるTrans*H4CKは、IT業界でトランスジェンダー、性別のあてはまらない人々、ノンバイナリー/インターセックス等を自認する人々600名以上を対象に調査を行った。回答者の半数以上が年収7万6000ドル以下、22%が2万ドル以下だったことを、今日(米国時間9/6)USA Todayが伝えた。しかしITキャリアウェブサイトDice.comの最新賃金調査によると、IT業界の平均給与は9万6370ドルだ。つまり、IT業界全体と比べて、トランスジェンダーや性別のあてはまらない人々は給与面で大きく差をつけられている。
Trans* H4CKが昨年末にこの調査を開始した理由は、IT業界のトランスジェンダーに関する具体的な数値がなかったからだと、Trans* H4CKのファウンダー、Dr. Kortney Ryan Zieglerが昨年11月に話した。しかし、結果は残念ながら失望させるものであり、それは驚きではなかった。最新のトランスジェンダー差別全国調査によると、トランスジェンダーおよび性別のあてはまらない人々の90%が、嫌がらせ、虐待、あるいは差別を受けていると回答し、47%が本人の性自認を理由にクビになったり雇われなかったり、昇進を逃がした経験があった。
IT業界の男女格差は、2016年のGlassdoorの調査によると米国平均(5.4%)に近く、業界全体のほぼ中央に位置する。とは言え、IT業界の中でも、プログラマー(28.3%)、CADデザイナー(21.5%)、ヒデオゲームアーティスト(15.8%)等、格差の著しい職種もある。残念なことにGlassdoorのデータは、トランスジェンダー、性別にあてはまらない人々の存在を考慮していない。
一方では、人種による賃金格差があり、こちらは性別による格差と比べてずっと注目度が低い。それでもIntelは、年内に人種による賃金格差を縮小したいと言っている
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)