昨年から急激に成長しつつある「医療用大麻のUber」、Eazeがマーケットの拡大を目指している。その足掛かりをつくるため、同社はシリーズBにてFresh VC、Doll Capital Management(DCM)、Tusk Venturesから1300万ドルを調達した。
2014年7月創業のEazeを利用すれば、オンデマンドで医療用大麻を注文することができる。創業からまもなく、医療用大麻の購入に必要な医師からの診断書を電話で取得できるというサービスを展開している。それにかかる時間は約10分だ。
同社によれば、カリフォルニア州各地にある100の都市で同サービスを利用することが可能で(その100都市のうち20都市がBay Areaにある)、これまでに合計で20万人以上のユーザーに大麻を提供してきたという。
Eazeは今回調達した資金を利用してチームの強化を図るのとともに、将来的なマーケット拡大を目指している。また、ユーザーの好みやニーズに合わせて医療用大麻の種類をおすすめする機能などを今後導入していきたいと話す。
しかし、Eazeにとってより大きな目標になるのが、カリフォルニア州とその他の州において医療用大麻のデリバリー企業としての地位を確立することだ。いくつかの州ではすでに大麻が合法化され、さらに9つの州で大麻の合法化に関する投票が11月に控えているという状況のなか、Eazeのブランドを確立することはとても重要になってくる。
カリフォルニア州は最大の医療用大麻マーケットだ。州の医療用大麻ライセンスを持っていれば合法的に大麻を服用することができる。しかし、すべての人に大麻を合法化するのかという点については以前として議論が続いている。もしそうなれば、Eazeのような医療用大麻の配達サービスにはさらなる利益が舞い込んでくるだろう。また、他の州でも大麻の合法化が進むにつれて新しいマーケットにサービスを拡大することが可能になる。
「大麻業界にとって、今が一番重要な時なのです」とCEOのKeith McCartyは語る。「大麻へのアクセス、安全性、そして専門性に関する新たなスタンダードを築きつつあるEazeのようなプラットフォームは、将来のマーケットを構成していく適任者であると言えます」。
Eazeのデータを重視したプラットフォームでは、医療用大麻を提供する薬局とそれを受け取るユーザーの両方がストレスなくプロセスを完了することができ、今後もプラットフォームの利便性を改善していくと同社は語る。この業界には成長のポテンシャルがあり、急速に大麻合法化が進みつつあることを理由にVCもこの業界に目をつけるようになったようだ。
「今年の市場規模は70億ドル、そして2026年までには500億ドルになると言われる医療用大麻マーケットにおいて、Eazeは驚くような早さで業界のトップに立つ存在となりました」とDCMのDavid Chaoは語る。DCMはシードラウンドからEazeに投資するVCだ。
Eazeは医療用大麻のデリバリーという分野の先駆けとなった企業の1つだ。同社はこれまでに合計で2500万ドルを調達している。
[原文]
(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter)