Elon Muskが所有するプライベート企業の1つ、Hyperloop Oneが2億5000万ドル相当の資金調達を検討中だということがForbesが発見した資料により分かった。同社はElon Muskが構想するチューブ型の高速輸送システムを開発する企業だ。
これが本当であれば、今月初めに調達した5000万ドルに加わる大型の資金調達となる。
追加的な資金調達によって当初の予測よりも大幅に超過した開発コストを埋めることができる。チューブ型の高速輸送システムの詳細が書かれた調査レポートを発表した当初、Muskは開発にかかるコストは1マイルにつき1150万ドルだと推定していたのだ。
SpaceXとTeslaを運営し、そしてTeslaが買収交渉中のSolarCityの会長職も兼任しているMuskは忙しく、実際のプロダクト開発はHyperloop Oneに委ねる形となっている。
Forbesによれば、Muskの構想と同じルート(サンフランシスコとベイエリアの各地域を結ぶ)を通ると仮定してHyperloop Oneによって算出された開発コストは、1マイルにつき8400万ドルから1億2100万ドルだ。当初の推定よりもはるかに多い札束が必要だということは明らかだ。このコストは輸送システムが貨物専用のものなのか、または貨物に加えて人も輸送するのかによって大きく変わる。また、輸送システムのルートをどこに設置するかという点もコストを大きく変える要因だ。だが、大まかにいってもHyperloop Oneが算出した推定コストはMuskが算出したものよりもはるかに高く、これまでの資金調達額ではとても間に合わないということだ。
それでも、建設が完了して貨物を運ぶようになればHyperloop Oneは利益が上がるとMuskはプレゼンテーションのなかで発表している。Hyperloop Oneによれば、このチューブによって貨物輸送が開始するのは2020年で、人が乗れるようになるのは2021年になる予定だ。また、Hyperloopが最初に開通するのはドバイになる可能性が高いという。
共同創業者の間で繰り広げられている訴訟問題を含め、Hyperloop Oneにはまだ課題が残されている。だが、楽観的とも言える同社の利益予測に投資家が納得しさえすれば、Hyperloopがこの輸送システムを実現してくれる可能性は高いだろう。
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