【抄訳】
やらせレビュー取り締まり努力を継続しているAmazonが、今回はアメリカの2社とEUの1社を、カスタマーレビュー濫用の証拠がある、として訴訟した。被告らは自分たちの製品の偽のレビューを作り、それが顧客の購買決定に影響を与えたこともありうる、というのが訴件だ。訴訟の目的はこれまでと同じく、販売者が法的措置の対象になりうることを知って、レビュー濫用を控えるようになることだ。
昨年以降の2年足らずでAmazonが訴えた被告は1000(社)以上にものぼり、彼らは報酬を払って偽(にせ)レビューを投稿させていた。同社は、偽レビューを投稿した販売者だけでなく、軽作業のマーケットプレース(やります/払いますサイト)Fiverr.comで偽レビューを書いて報酬をもらった人たちや、そんな行為をさせていたWebサイトの運営者も被告として訴えている。
今回の3件の訴訟の被告は、偽レビューを投稿させて報酬を払った販売者だ。
たとえば被告Arobo Trade INC/Aumax Directの場合は11の製品に対する2343件のレビューのうち、その54%の1269件が濫用だ、とされている。またCyande Groupのレビューでは、582のレビューの52%300件が、濫用に該当、とされている。このほか、今回はないが、Amazonは、買収の外見を避けるために製品を景品として提供して偽レビューを書かせる販売者も訴訟している。
Amazonは主張する: “これらの意図的な努力の結果はAmazonの顧客に対する詐欺行為であり、また、Amazonのマーケットプレース上の販売者に対する不当競争にあたる”。
偽レビューがはびこることは、Amazonに対する顧客の信用や信頼の失墜につながり、ひいては顧客の喪失にも結果しうるので、Amazonとしては法に訴える強硬措置を採らざるをえない。買い物をするときの重要な参考情報であったレビューに、偽レビューが大量に混在するようになると、そのコマースサイトの人気と評価は180度逆転してしまう。だから偽レビューは、eコマースサイトの命(いのち)取り、と言っても過言ではない。
【後略】
〔この記事の原文には、今回の訴状原本の写しがあります。〕