ゲノム配列を読んで、しかも謝礼が貰える遺伝解析スタートアップGenos

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最初のヒトゲノム配列の決定には、驚異の27億ドルがかかった。しかも、遺伝子疾患に関してそれが飛躍的な進展につながる兆しもなかった。幸いに、それ以来ゲノム配列決定のコストは劇的に低下し、新しいタイプの消費者向けの遺伝子解析スタートアップが登場し、個人のDNA二重鎖配列を詳細に決定する業務を請け負うようになる。

Genosはそのようなスタートアップの一つで、次世代シークエンシング技術を使い、個人の遺伝情報の詳細を明らかにし、クラウドソーシングによって集めた遺伝マップを研究者に提供することにより遺伝子疾患の原因解明に寄与することを目的とする。

同社によれば、近い将来個人の全ゲノム配列を読む計画だが、現在はまずエキソームを読むサービスを開始する予定だ。エキソームとは、ゲノム中でタンパク質に翻訳される領域の全遺伝子のことだ。エキソームは稀な遺伝的変異によって生じる遺伝子疾患の同定に極めて重要だ。

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よって、SNP(いわゆるsnips)形式と比較して、得られる情報量は膨大で、個人の遺伝情報の極めて細かい部分までが取得される。

23andMeは最近、この手の次世代シークエンシングサービスを中止したが、創始者のAnne Wojcickiは先週開催されたWSJD Live conferenceで、その技術を「ホットで、きらびやかなもの」と呼んだ。しかし彼女は「得られる情報のすべてを処理するのは極めて複雑」と言い、同社はその結果に関して曖昧な点を残したくないと考えている、と付け加えた。

次世代シークエンシングを使えば、例えば、あなたがある種の乳がんにかかる危険が僅かにある、といったことが判る。しかし、Wojcickiが指摘した通り、その情報を使ってすることがあるにしても、一体何をする必要があるのか、という点を明確にすることは困難だ。

しかしながら、このレベルの詳細なデータを提供することに取り組む企業は、その気になればたくさん見つかる。Genos同様に、Color GenomicsHelix、Veritasはみんな、この新しくより進歩的な塩基配列決定テクニックに賭けており、この手法を使って有用な情報を掘り出し、我々が病気にかかる可能性についてよりよく理解するための情報を提供しようとしている。

これらの新規の遺伝情報解析のスタートアップはデータ収集とその実装の為に独自のアプローチを採っている。Genosの場合は、参加者それぞれが研究のプロセスを援助することを奨励することで遺伝マップの作成を行っている。同様に、23andMeや他のスタートアップも、ある程度は参加者に任意で質問に答えてもらったりある種の研究への参加の了解を取り付けたりしている。しかし、Genosの場合は、参加者一律に同意書へのサインを要請する代わりに、毎回情報提供の報酬として参加者にインセンティブを与える計画だ。

その方法で経済的にうまく行くのだろうか。その部分に関しては明確ではない。Genosがいくら払うかについては現時点で議論の余地があるが、同社によれば今から数ヶ月後、そのサービスが公式にローンチされる日が近づけば明らかにされる予定だ。対照的に現在、遺伝解析関連企業の多くは任意で得ている情報に対して報酬を支払っていない点は注目に値する。

その間、Genosは前述のサービスのローンチへの動きを加速し、ガン発見の為のプラットホームであるNantOmicsから600万ドルの戦略的投資を調達した。同社の諮問委員の中には以下の著名人が含まれる。George Churchはヒトゲノム計画の始動を助けたゲノム研究のリーダーであり、Alvin E. Rothはノーベル経済学賞受賞者、Mina RadhakrishnanはUberの幹部を務めた後、現在Redpoint VenturesのEIRである。

他のゲノミクスのスタートアップはより多くの資金を集めており、製品の展開においてはずっと先を行っているが、Genosの、謝礼を支払って情報を収集する、というアプローチは興味深いもので、同社はそのための良いチームを擁している。そのアプローチが上手くいくかどうか注視するとしよう。
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(翻訳:Tsubouchi)

投稿者:

TechCrunch Japan

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