Uberは今週火曜、サンフランシスコで 自動運転車に実際に乗客を乗せるタクシー営業の小規模な実験を開始した。Uberが自動運転による実車営業の実験を行うのはサンフランシスコが2都市目だが、カリフォルニア州の規制当局は快く思っていないようだ。州の運輸車両局(DMV=Department of Motor Vehicles)は自動運転車を州道で走らせる際にテストを行い、合格した相手に許可を出している。
DMVの自動運転実験テストに合格した車種のリストには20社が掲載されているが、Uberはその中に入っていない。DMVは「申請してテストを受けるべきだ」としているが、Uber側は「実験の内容に照らしてその必要はない」と主張している。
カリフォルニア州DMVの声明は「 〔自動運転車の走行実験にあたって〕実施各社の責任ある態度を要望してきたが、実験者が常に責任ある態度を取ると想定することは不十分であるかもしれない」と述べ、Uberがテスト手続きを行うよう強い態度で要求している。【声明は原文参照】
これに対してUber側は、実験の本質からみてDMVの許可を得る義務はないという立場を崩していない。つまり「自動運転車」といっても運転席にはドライバーが乗っており、ハンドル付近に手を置いて、不調があればただちに運転を取って代われる体制であるため、本質的には「人力による通常のタクシー営業である」という立場だ。
UberはTechCrunchの取材に対して今回の実験でDMVの許可を受ける考えがないことを確認した。またブログ記事に掲載された同社のAdvanced Technology Groupの責任者、Anthony Levandowskiのコメントの一部を以下のように引用した。
しかし根本的な問題はこうだ。いつ、またどのようにして企業は自動運転車テクノロジーを実際に運用すべきか? われわれにはこの点に関して独自のアプローチがある。多くの州ではこのテクノロジーに交通安全を大きく改善する可能性を見ている。またいくつかの州や都市は複雑な規制がイノベーションを不当に遅らせる状況に気づいている。ピッツバーグ市、アリゾナ州、ネバダ州、フロリダ州はこの面で特にリーダーの役割を果たし、プロ・テクノロジーであることを明らかにしている。われわれは当社の本拠であり世界経済に果たす役割も大きいカリフォルニア州が同様の見解に立つことを希望している。
Uberが運営地の規制当局と衝突するのはこれが初めてではない。これまではアメリカ国内でも国外でも規制との戦いで勝利を収めることが多かった。ただし今回の紛争の結果がどうなるかはもちろんまだ不明だ。
〔日本版〕カリフォルニア州はUberの自動運転タクシーの実験に対して中止命令を出したという。TechCrunchの続報
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)