現在インドは中国製スマートフォン革命の真っ只中にいる。2016年Q4の販売台数ランキングトップ5に、インド企業は1社も入ることができなかったのだ。
Samsungやおびただしい数の若い中国企業は、まだスマートフォン市場に成長の余地が残されている数少ない国のひとつであるインドをしばらくのあいだ攻め込んでおり、その成果が形になってあらわれはじめた。
調査会社Canalysの最新のデータによれば、Smasungが22%のシェアで他社を先導し、その後にXiaomi(11%)、Oppo(9%)、Lenovo(9%)、Vivo(7%)が続いた。以前大きなシェアを握っていたインド企業は、1年の間にシェアを半分以上奪われてしまったことになる。
「2015年Q4には、Micromax、Intex、Lavaがそれぞれ2位、3位、5位にランクインし、合計で約30%のシェアを占めていました。しかし2016年中にその全てがトップ5から姿を消し、市場シェアも11%まで減少してしまいました」とCanalysは言う。
中国製デバイスの安い価格と中国企業の潤沢なマーケティング資金の他にも、ある別の要因がその背景にある。それはインド政府による高額紙幣の廃止だ。インド政府は、いわゆる「ブラックマネー」を締め出すために、最近500ルピー紙幣と1000ルピー紙幣を廃止した。Canalysはこの施策がスマートフォンを含む小売販売に大きな影響を与えたのだと言う。
「インド企業は、小規模小売店で製品を現金で買うような消費者をターゲットにしています。しかし今回の高額紙幣廃止によって短期的な流動性が下がり、消費の勢いも落ちてしまいました。結果的に小売店は、インドのスマートフォンから在庫の動きが速い中国・韓国のスマートフォンへとシフトしていったんです」とCanalysでアナリストを務めるRushabh Doshiは説明する。
実際にCnalaysのデータを見ると、2016年Q4のインド企業全体の出荷台数は1160万台と前年比で25%減少した。
一方で中国企業はインド市場で目覚ましい成長を遂げた。特にXiaomiは、2016年に初めてインド市場での年間売上が10億ドルを突破(前年比+232%)した。Lenovoもマーケットシェアを11%拡大し、Oppoの出荷台数も1500%以上の伸びを見せた。
以上からもインド市場は暗いニュースばかりではなく、むしろその逆だということがわかる。
Counterpointが行った最近の調査によれば、2016年にインドのスマートフォンユーザーの数が初めて3億人を突破し、出荷台数も前年と比べ18%伸びていた。これは世界平均の3%を大きく上回る数字で、中国企業やインドでの生産を検討しているとされるAppleが、インドのスマートフォン市場に力を入れようとしている理由もわかる。
ちなみにAppleはCanalysのレポートでは触れられていなかったが、Counterpointは2016年がAppleのインドビジネスにとって最高の1年だったと話す。実際にiPhoneの出荷台数は2015年の200万台から2016年は250万台に増加していた。これも素晴らしい数字ではあるものの、上記の表から分かる通りボリュームという点ではAppleは他社に遅れをとっている。一方でAppleが世界のスマートフォン市場の利益をほぼ全て手中におさめていることを考えると何ともいえないところだ。
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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter)