「お金のデザイン」のシリーズC調達額が15億円に、THEOを使う社員のポートフォリオも公開

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資産を預けるとアルゴリズムが自動で資産運用を行ってくれるロボアドバイザーサービスはウェルスナビやエイト証券のクロエなどいくつかある。お金のデザインが提供するグローバル資産運用サービス「THEO(テオ)」もその内の1つだ。TechCrunch Japanでは2016年9月、お金のデザインがシリーズCラウンドで8.1億円の第三者割当増資を実施したとお伝えしたが、今回新たにFenox Venture Capitalが出資に参加し、調総額は15億円になった。

THEOは10万円から資産運用を始めることができるサービスだ。9つの質問に答えると、THEOは各ユーザーに最適な資産ポートフォリオを世界86の国と地域における1万1000銘柄以上の海外ETFから組成する。

お金のデザインは2013年8月に創業し、2016年2月にTHEOをローンチしている。2015年12月には東京大学エッジキャピタル、グロービス・キャピタル・パートナーズ、伊藤忠テクノロジーベンチャーズらから総額約15億円を調達した。2016年9月には、ちばぎんキャピタル、静岡キャピタル、ふくおかテクノロジーパートナーズ、丸井グループ、ベネフィット・ワン、東京短資株式会社によるシリーズCとなる第三者割当増資を発表した。このシリーズCには、後に山口キャピタル、ぶぎんキャピタル、京都銀行グループの「京銀輝く未来応援ファンド投資事業有限責任組合」、東邦銀行、百五銀行、 リクルートホールディングス、日本交通株式も参加した。さらに今回Fenox Venture Capitalが参加し、調達総額が15億円になったという経緯だ。創業からの累計調達額は約33億円を超える計算となる。

お金のデザインの担当者はFenox Venture Capitalからの資金調達について、「THEOはグローバル展開を視野に入れていて、Fenox Venture Capitalとはアジアやグローバルでのネットワーク作りなどで協力していきたいと考えています」と話す。THEOでは若いユーザー層に向けたエッジの利いたサービスを展開し、日本の金融機関や非金融機関との提携により得た知見を活かし、ゆくゆくは海外市場で展開することを目指しているという。

また、ローンチから1年経った2017年2月には、THEOへの申込者数が2万人を超えたという。お金のデザインは2月17日、THEOのローンチ1周年を記念して、THEOのユーザー数や属性などをまとめたインフォグラフィックスを公開している。それによるとTHEOのユーザー20代(15%)、30代(37%)の若い世代が多く、全体の89%が投資経験がそう多くない層だという。預け金額は、10万円のユーザーが39%と最も多い。

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また、THEO全体における預かり金額は50億円を超えているとある。これは2016年9末時点の日本投資顧問業協会の統計資料によれば、日本国内の投資一任契約型のロボアドバイザーの中で最も預かり資産額が多いという。

インフォグラフィックスの他に、お金のデザインの社員19名分のTHEOの資産運用状況も公開している。担当者は、「ロボアドバイザーの資産運用は実際どうなんだろうと疑問に思う人も多いかと思います。想定される運用実績を出すこともできますが、よりリアルな情報を出すことで、身近に投資のユースケースを感じてもらえると考え、公開しました」と説明する。

社員のポートフォリオを見てみると、その多くで資産の10%近い上昇が見られる。ただ、THEOは海外ETFによる資産運用のため、為替変動による影響も少なからずあり、円建ての数値を鵜呑みにすることはできないだろう。2016年11月の米大統領選挙以降に円安が進んだが、ポートフォリオの中にはその影響がはっきり出ているものもある。

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ただ、このようにロボアドバイザーの運用実績を公開するというのは、ユーザーが投資に関心を寄せるきっかけになりそうだ。誰かと資産運用で投資しているだなんて、おおっぴらに話すのにはなんとなく抵抗感があるし、ましてや他人の資産運用状況について知る機会なんてほとんどないだろう。お金や投資についてオープンに話す機会が増えれば、投資に対する世間の印象も徐々に変わっていくのかもしれない。

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。