ザック曰く、FacebookのARプラットフォーム戦略の一環としてSnapchatの類似機能をリリースした


「それについてはあまり心配していません」。FacebookはSnapchatをコピーしているという批判に対し、マーク・ザッカーバーグはそう話した。それはFacebookが本日ローンチした開発者向けCamera Effects Platformの準備のための機能だったと、世間に「誤解」された戦略を擁護した。

「最初の施策として、人々がすでに馴染みのあるプロダクトをリリースすることが理にかなっていました。しかし、私たちが他と違うところは、単に純粋なカメラを作っているのではなく、初のメインストリームとなるARプラットフォームを構築することにあります」。

SnapchatはアニメーションのARセルフィーマスクやフィルターを普及させることに成功したが、開発者プラットフォームはなく、開発者が自分たちのクリエイティブなツールを広くユーザーに提供することはできない。Facebookは10年に及びプラットフォームを運営してきた経験を活かし、現実世界にあるオブジェクトや場所をきっかけに起動するARの特殊効果やインタラクティブな体験を開発者が際限なく作り出し、人々に提供できる環境を整えたい考えだ。

ここ数週間の間に、Facebookがイノベーションを止め、Snapchatのクローンになったと揶揄する声が高まっていた。 FacebookはSnapchat風のストーリーズ機能とカメラの特殊効果をFacebookで提供する4つの主要なソーシャルアプリFacebook、Messenger、WhatsApp、Instagramの全てに実装した。これは、競合であるSnapを抑え込むことための過剰な施策で、Facebookが必死に対抗しているかのように見えた。優秀な人材の獲得競争にある同社の魅力が下がったようにも感じられた。

Facebookはイノベーションを止めたという批判に対してコメントを求めたところ、ザッカーバーグは批判を一蹴し、これまでの機能の実装は、全てのプロダクトでクロスアプリに対応する1つのCamera Effects Platformを準備するためのものだったと主張した。Facebook Storiesは今月ローンチしたばかりだが、この戦略自体はしばらく前から取り組んできたことだという。

1年ほど前から開始しました。動画や写真がサービスの中心になりつつあり、カメラが必要になると感じていたのがこの構想の軸にあります。しかし、私たちが他と違うところは、単に純粋はカメラを作っているのではなく、初のメインストリームとなるARプラットフォームを構築することにあります。

しかし、現実的には特定の機能を徐々にリリースすることを考えました。この戦略についてはF8で公表するとしても、全てを一度にリリースすることはないでしょう。それにこの構想は次の段階のものです。最初の施策としては、人々がすでに馴染みのあるプロダクトをリリースすることが理にかなっていました。プラットフォームを構築する前に、プロダクトを定着させることを考えています。プロダクトとプラットフォームを同時に構築するのは非常に難しいからです。

社内ではどこに向かっているかを理解できていたと思います。異なる機能を少しづつ展開するということです。全ての機能を実現するインフラを構築しながら、素早く展開していくつもりです。

つまり、Facebookの各種アプリに基本的なARエフェクトを楽しめるアプリ内カメラを実装したのは、より大きなプラットフォーム戦略の一環だったということだ。しかし、それでもこの施策で世間はFacebookがSnapchatをコピーしたと感じたことには変わりない。何年も前にSnapがFacebookの買収提案を断って以来、FacebookはSnapchatのアプリから度々インスピーレションを得ている。Facebookはイノベーティブでなくなってきているという世間の見方についてザッカーバーグは次のように話した。

「それについてはあまり心配していません。というのも、私たちはいろいろな分野でいろいろな事業を行っています。私たちが作っているソーラー電気の飛行機や人工衛星を見た人が、そうしたものが面白くないと感じることはないと思うのです。

私たちは、ハイエンドなコミュニティー以外の人たちにもサービスを提供するためにイノベーションを起こしていて、それについて人々はあまり考えていないと思います。例えば、Facebook Liteのような施策に注力しています。Liteの最近の進捗ですか?年2億人くらい増えました。私たちのコミュニティーが本当に欲している要素は何かについていつも考えていて、それが私の気にしていることです」。

「ハイエンドなコミュニティーだけではない」という発言は、暗にSnapのことを指しているのかもしれない。Snapは新興国などでのグローバルのグロースではなく、資金が潤沢なアメリカをはじめとする欧米市場に注力することを決めた。Snapの元社員は、Evan Spiegelが「Snapchatは裕福な人のためのサービス」であり、「インドやスペインなどの貧しい国には展開したくはない」と発言したとしてSnapを訴えている。SnapはSpiegelはそのような発言をしていないと異議を唱え、インドのユーザーには感謝していて、「スナップチャットはみんなのためのもの」と表明している。

ザッカバーグは、本日ARプラットフォームを発表することで、FacebookはSnapをコピーしているというのではなく、Facebookが目指していることが理解され、同社への評価が正されることに期待していると言う。

「長期的にみれば、評判は会社に相応しいところに収まるのではないかと思います。そして会社を作るには、毎回正しい行動が取れるとは限らないということを認める必要があるでしょう。人々はいつも会社に対して好意的であるとは限りませんし、毎回会社が行っていることを理解しているわけでもないと思います。しかし、短期的にしか物事を見ないのなら、長い期間かかる事業で正しいことを追求できないと思うのです。長期の視点でどこに向かいたいかが分かっていて、人々に理解されなかったり、時には間違いを犯したりすることも許容できるなら、そうしたことは価値あることを追求するのにかかるコストなのだと思います。

[原文へ]

(翻訳:Nozomi Okuma /Website

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。