Facebookは本日、ユーザーが使いたいMessengerボットを見つけるための 2つの便利な方法を実装した。これでMessengerプラットフォームを活用する10万人の開発者を悩ませていた課題を解決したい考えだ。
Facebookの新たなChat Extensionsで、グループチャットでもMessengerボットを利用できるようになる。例えば、theScroreのボットで友人とスポーツの試合の得点を共有したり、Spotifyのプレイリストを編集したり、SnapTravel で泊まりたいところを相談したり、Kayakで予約する飛行機の便を決めたりすることができる。NBA、Food Network、WSJ といった開発企業がグループボットを本日より提供する。Apple Musicも近々リリース予定だ。
TechCrunchでは先月の時点で、Facebookが今回のF8でこれらのグループボットをローンチすると伝えた。これまで、ボットの体験は個人とボットの1対1で利用するものだった。しかし、ボットは人のような応対をするのは難しい。Chat Extensionsではボットは話し相手というより、機能やアシスタントに位置づけ、現在のテクノロジーに見合った機能を提供する。
2つ目の施策として、MessengerにDiscoveryタブを追加した。ユーザーはここから最近使ったボットを確認したり、ボットのカテゴリーから流行っているボットや特定のボットを見つけることができる。ボットと会話を始める前に、ボットがどんな機能を持っているかを確認できる画面もある。このキュレートタブにボットを掲載するには、開発者は作成したボットのプレビュー情報をあらかじめ提出しておく必要があるという。
最後に、FacebookはM Suggestions(Mによるおすすめ)機能を拡張する。これは、AIで会話の内容を解析し、使うべきMessengerのボットを提案するものだ。Mはユーザーが話している内容から理解したニーズに応じて、外部の開発者が作成したボットを提案できるようになった。例えば、誰かが「食事を注文しようか」と言ったのなら、Mはそれができるdelivery.comのボットを勧めるといった具合だ。
こうした機能を提供することで、グループの中からMessngerボットは普及するかもしれない。また、Facebookが良いボットを提案することにはメリットもある。優良な開発者をこのプラットフォームに惹きつけることができるだろう。FacebookはMessengerボットを昨年ローンチしたが、ユーザーは良いボットを見つけるのを難しく感じていた。多くのボットはAIが未熟だったり、使い方が難しかったりしてユーザーの期待に応えられるものではなかった。本日のFacebookのF8のカンファレンスでMessengerを率いる David Marcusは「ベータ版だと言っておいてよかった」と話していた。
Facebookはテキスト入力ではなく、メニューから選択できるようにするなどボット機能の改善に取り組んできた。そして、F8ではMessengerに現実世界ではQRコードを通じて、特定のボット機能を呼び出せるようにしたり、企業を助ける機能なども提供する。また、SnapTravelのMessengerボット経由ではこれまでに100万ドル相当のホテル予約が行われたという。チャット内コマースが機能し始めていることを示唆していると言えるだろう。
今回のアップデートで、ボット開発者はチャーン率やユーザーの理解が進まないという課題に再挑戦する理由ができたと言える。Messengerには12億人のユーザーがいて、それらのボットを試そうと思うユーザーは十分いるだろう。
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(翻訳:Nozomi Okuma /Website)