ロボットはやり方を教えられたことをするのは得意だが、新しい問題に直面すると固まってしまうことが多い。たとえば見たことのない形状のものをつかむ時など。Dex-Netというシステムでは、AIがディープラーニングを使い、それまで見たことのない形の物体を効果的につかむ方法をロボットアームに教える。
システムの基本的な考え方は、われわれがものをつかむときの方法と似ている。物体を見て、その形を理解し、過去に持ち上げたことのある物体と比較して、その情報を使って最善のつかみ方を選択する。
Dex-Netは、生きている人間のような目と記憶を持たないため、制作者たちはさまざまな物体の人工的3D情報を600万件以上与えて、それぞれの対象物体を持ち上げる理論的に最善の方法を見付けさせるようにした。実際に動作する時には、システムは物体を見て、記憶の中にあるものと比較してもっともよく一致したものを選ぶ。
研究者らがDex-Netにそれまで見せたことのない物体を数十種類つかませたところ、失敗したのは1度だけだった。これは、人工的データを使って訓練されたシステムでもかなり安定した結果を出せることを示唆している。また、持ち方の候補を見つけるまでの時間は平均1秒以下だった。
Dex-Netを作ったのはUCバークレーのロボット研究者たちで、7月のカンファレンスでシステムの最新バージョンを発表する予定だ。また、物体のデータセットや収集した3Dデータも公開する計画だ。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )