もしAirPodsがいいなとは思っているものの、Appleの白い筒型形状は人間工学的に自分の耳にうまく合わないと思っているのなら、良い別の選択肢が現れた。その価格に見合う価値はある筈だ。BragiのDash Proは、ヘッドセット専業会社による完全ワイヤレスイヤホンの最新版だ。そして同社が最初の2つのプロダクトから、多くのことを学んだことがわかるプロダクトとなっている。
Dash Proの価格は、米国内に於けるAirPod価格の2倍以上である329ドルだが、それは単なるワイヤレスイヤホン以上のものとしてデザインされている。スタンドアロンで使用するためのオンボードストレージ、彼らの言う所の4Dジェスチャーコントロールインターフェース(頭の動きでコントロールを行う)、そしてiTranslateのサポートなどが含まれる(iTranslateはiOSアプリをインストールしてプロサブスクリプションを行っていれば、話し言葉をイヤホンを通して翻訳してくれる)。
私はBragi Dash Proの最初の1組を数週間に亘って試用し、その結果とても感銘を受けた。Bragi HeadphoneのようにDash Proは基本がしっかりしている。ペアリングも、音質も、脱落防止も、そして安定した接続を維持するという点でも。そのような堅実なパフォーマンスに関しては、以前リリースされたDashでは、ほとんどのレビューアが不満を感じていた点である。よってBragiがそのことを改善したのはとても素晴らしいことだ。
しかし、それだけがDash Proの全てではない。ワイヤレスオーディオの自由を真に求めている人たちにとって私が本当にお勧めしたいのは、それ以外の機能だ。オンボードストレージとフィットネストラッキング機能は非常に上手く、しかも手間要らずに動作する。もしこの機能を有効にすれば、Bragiのオンボードセンサーを使用してユーザーの運動を自動的に検出してくれる。さらにiTranslateの機能は、少々面倒なところはあるものの(同時通訳ではなく、話したものを逐次通訳する)、旅行中に役立つ程度には効果的だ。
Bragi Dash Proの(頭の動きによる)モーションコントロールは一般ユーザにとってはそれほど魅力的ではないかもしれないが、もしユーザーの手が塞がっていていてタッチベースのコントロールを行えない場合には特に便利である。また、タッチセンシティブなコントロールがやりにくいアクティビティの最中や、雨の中を走る際や(これらは耐水性があり、水泳にも使用できる)、フードがイヤホンに当たり続けるので後述のオーディオ透過性をロックアウトする必要がある場合などに便利だ。
Dash Proは以前の商品のもう一つの弱点にも対処した。利用可能時間を5時間ほどに伸ばすことができたのだ。それは私の試用体験で実証できたもので、一日を通しての利用時間として十分なものだ。また、内蔵バッテリーを使って最大5回の追加充電の行えるケースも付属している。これも他のヘッドフォンたちには見られない大きな特典だ。旅行中にこれらを使用すると、劇的な違いが生じる。
最後に、Bragiのオーディオ透過性は、一度体験するとこれまでそれなしでやっていたことに驚くとても素晴らしい機能だ。基本的には外部の音をそのまま聞かせる機能で、最新版では自転車に乗っている際の風切り音などを魔法のように消し去る機能も追加されている。このことが意味するのは、ちょっとした用足しや、人と会話するときや、その他の場合に、イヤホンを外す必要がないということだ。つまりポケットの中でイヤホンをさぐり当てる必要がなくなる。
Bragiは、以前のDashに対する様々な批判を十分に受けた。しかし同社はそうした批判の大部分に応えて、素晴らしい結果を生み出した。Dash Proはワイヤレスイヤホンの偉大なプロダクトであり、将来が楽しみなコンピューティングプラットフォームの芽生えを感じさせるものだ。平均価格よりも高い値札を受け入れられるなら、これこそが私が今お勧めしたいワイヤレスイヤホンだ。
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(翻訳:Sako)