男性向けのエンターテインメントWebメディア「JION」を運営するJIONは6月19日、事業売却を発表した。売却先はWebマーケティング事業やSEM事業を行うミスターフュージョンだ。売却金額は非公開だが、関係者からの情報では数億円規模と見られる。2016年3月設立のJIONにとっては1年3カ月でのエグジットとなる。
売却後、JION創業者で代表取締役の成井五久実氏は、ミスターフュージョンの執行役員に就任し、メディア事業部の責任者として、JIONに加え、ミスターフュージョンが手がけるウェブメディアを統括。また、7月1日にはアラサー女性向けの新メディア「IIONNA(イイオンナ)」のローンチも予定する。
女性ライターによる“大人の男性”向けメディア「JION」
WebメディアJIONは、「女性が届ける大人の男の1分マガジン」として2016年にリリースされ、女性ライターによる記事で、男性向けに恋愛・デート・ファッションなどの情報を提供してきた。男性向けのデジタルメディアといえば、SmartNewsやグノシーなどニュース中心のメディアから、男性向け雑誌から派生したものなどがあるが、これら競合の中にあって、JIONの強みは「恋愛をテーマにしたエンタメ系メディアとして、男性読者をきちんとつかんでいるところ」(成井氏)と話す。JIONの読者はは、都内在住のアラサービジネスマンが中心で、男性比率は8割。現在の月間アクティブユーザー(MAU)は100万人という。
「JIONではアフィリエイトよりは、ナショナルブランドのクライアントのタイアップ記事で収益のほとんどを上げている。Facebook広告で男性読者を確実に取り入れ、ユーザー数が伸びる中でも男性比率を落とさずに運営してきたことが、クライアントに評価されている」(成井氏)。今後はミスターフュージョンの持つSEM、リスティングのノウハウを活用してサービスを成長させるとしている。