MFが5年ぶりに個人向けアプリ――自動貯金アプリ「しらたま」が本日リリース

家計簿アプリなどを提供するマネーフォワードは9月19日、自動貯金アプリ「しらたま」のリリースを発表し、同日記者会見を開催した。同社がBtoC向けサービスを発表するのは、家計簿アプリの「マネーフォワード」以来これが5年ぶりのことだ。

毎日コツコツ積み立て、おつりで貯金

マネーフォワードが本日発表した「しらたま」は、“貯金したいけれど、なかなかできない”人たちをターゲットにした自動貯金アプリだ。しらたまの由来は、「しらずに、たまる」。その名前の通り、最小限の負担で貯金の習慣づけができる。こちらから無料でダウンロード可能だ。

しらたまは住信SBIネット銀行の更新系APIを利用している。同行で銀行口座を開設済みのユーザーがしらたまの利用登録をすることで、アプリ専用の貯蓄口座ができあがる。アプリで貯めたお金はその専用口座に溜まっていくという仕組みだ。

貯金の方法は2つある。毎日の積立額を設定して自動で銀行口座から貯金できる「つみたて貯金」と、クレジットカードを利用した買い物の“おつり”を利用する「おつり貯金だ」。これは、事前にユーザーが決めた設定額が500円で、クレジットカードを使って460円の買い物をした場合、差し引きした40円を自動で貯金できるというもの。

旅行や欲しいものなど、貯金の目的や目標金額を設定したり、貯金のペースを自由に選択することができるのも特徴の1つだ。目標到達時には、アプリの貯金箱をタップで“割る”ことでメイン口座に資金を戻すことができる。

ただし、現時点で同アプリと連携できる金融機関は住信SBIネット銀行のみとなっている。同行の銀行口座を保有していなければ、しらたまを利用することはできない。プロジェクトリーダーの伊藤徹郎氏は、「(改正銀行法が施行する)来年春ごろをめどに、順次連携先を拡大していきたい」と話している。

“貯金”という個人ユーザーの課題解決

しらたまのプロジェクトが始動したのは2017年5月のこと。

ちょうど同じ頃に改正銀行法が成立し、同年3月にBtoB領域での更新系API連携を発表したマネーフォワードが、BtoC領域でも更新系APIを利用したアプリを開発することを目的として始まったプロジェクトだ。

マネーフォワード代表取締役の辻庸介氏は、「これまでは“見える化”に取り組んできたマネーフォワードだが、これからは、そこで見つかった課題を解決するサービスをつくりたかった」と話す。

その言葉通り、マネーフォワードは2017年6月に中小ビジネスの課題である与信・請求業務を自動化するMF KESSAIを発表した。その一方、しらたまは個人が抱える課題である貯金の問題を解決するアプリとして生まれたというわけだ。

しらたまと同様の自動貯金アプリとしては、以前TechCrunch Japanでも紹介したfinbeeなどが既に存在している。辻氏は、そのようなアプリとの差別化要因について、「家計簿アプリとの連携により、ユーザーの収支状況から適切な貯蓄金額などを提案できることなどが挙げられる」と話した。

また、辻氏によれば、マネフォワードは貯蓄した資金を利用した自動投資機能の追加も今後の展開として考えているという。

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。