クラウドソーシングサービスの「Lancers」などを提供するランサーズは12月18日、総額約10億円の資金調達と資本業務提携の締結を行ったことを発表した。第三者割当増資の引受先はパーソルホールディングス(旧テンプホールディングス)と新生銀行。
米UpworkとFreelancers Unionの発表によれば、2017年現在の米国のフリーランス人口は5730万人で、2027年にはフリーランス人口が過半数を超えると予測されている。また、ランサーズの調査では、日本のフリーランス人口は1122万人。前年比で5%の増加を示しているという。
ランサーズでは、雇用・非雇用の境界が曖昧になり、両者の間を自由に行き来する時代が今後来る、として、ネットによる請負業務のマッチングを行うLancersから、スキルのシェアリングやより専門性の高いタレントの準委任契約などへサービスの範囲を広げている。今回のパーソルグループとの業務提携により、この動きをさらに推し進め、派遣契約や雇用契約の仕事を含めた多様な働き方の選択肢を提供していく、としている。
また、働き方の選択肢が広がることで、働き手に「信用力の担保」や「金銭面の安定」などの課題が生じるとして、新生銀行との業務提携により、まずは金融ニーズに応える融資サービスを開発・提供していくという。ランサーズにおける仕事の実績と評価データによるスコアリングを行い、与信情報を生成。設備投資や学習費用などの投資に対応した融資サービスを提供し、フリーランスの活動を費用面でサポートしていく考えだ。
さらに今後の展開についてランサーズでは、タレントスコアによる個人の評価経済を構築し、横断的な働き方の実現につなげていく、と述べている。タレントスコアを活用して”個人の信用力”の査定を行うことで、経済圏モデルの展開へ繋げ、自由な働き方が選択できる土壌を作る、としている。