仮想通貨のウォレットアプリ「Ginco」を開発するGincoは1月31日、グローバル・ブレインが運営するファンドから、総額約1.5億円の資金調達を実施したと発表した。
同社は2017年12月の設立。代表取締役の森川夢佑斗氏は、京都大学在学中にブロックチェーン技術を活用したプロダクト開発やコンサルティングを行うAltaAppsを創業し、『ブロックチェーン入門』などの著書もある。
同社は「ブロックチェーン時代の新しい価値取引を実現する銀行を目指す」として、スマートフォンで安全に仮想通貨を管理するためのクライアント型のウォレットアプリ、Gincoを開発している。クライアント型ウォレットでは、秘密鍵をサーバーで集中的に保存する集中型ウォレットやウェブウォレットと比較すれば、外部からのハッキングなどで資産を失うリスクが低い。
また、1月26日に仮想通貨取引所「Coincheck」で起きた不正流出で問題となった、「取引所に預けたままの資産がハッキングによって流失するリスク」も避けられる。利用者同士で直接送金ができるため、取引所などを経由するよりスムーズに送金が可能だという。
Gincoではまず、2月初旬にEtheriem(イーサリアム)の基軸通貨ETH(イーサ)に対応した、iOS版ウォレットアプリのベータ版リリースを予定しており、現在事前登録を行っている。その後のアップデートで、イーサリアム上のトークンERC20やBTC(ビットコイン)、XRP(リップル)といった主要な仮想通貨に順次対応していく。
同社では「仮想通貨を利用する世界中の人に、Gincoを利用してほしい」として、今回の調達資金により、グローバルなマーケティングの準備をする予定。また、ブロックチェーン技術に精通した開発者の採用強化と育成を行っていく。