Googleの親会社Alphabetのこれまでの絶好調は、第四コーナー(2017Q4)で急ブレーキがかかった。それはこの、広告で巨費を稼ぐ巨大企業に対するウォール街の期待を裏切り、株価を5%下げ、数十億ドル相当の時価総額を削り取った。
広告システムの大部分はGoogleが保有し、今でもコンスタントにお金を刷り続けているが、最近では自社ブランドのハードウェアやクラウドコンピューティング事業など一連の大きな投資を通じて業態の多様化に努めている。“その他の売上”が伸びているからその努力は報われつつあり、“その他の投資”も年々増加している。しかしそれでも、同社の前方に横たわる難局を示唆すると思われる、二つの兆候がある。
今四半期では、他の大手テクノロジー企業と同様、Googleも税法の改正により99億ドルの税額支払いを記帳している。以下が、そのスコアボードだ:
- 売上: 323億2000万ドル, ウォール街の予想318億7000万ドル, 前年同期比24%増
- 利益: 一株あたり9ドル70セント, 予想は9ドル98セント
- その他の売上: 47億ドル
- その他の投資: 4億900万ドル
- TAC*(売り上げに対する比率): 24%
- 有料クリック(前年同期比): 43%
- クリックコスト(前年同期比): -14%
- クリックコスト(前期比): -6%
〔*: TAC, traffic-acquisition costs〕
昨年12月にEric Schmidtが、2004年以来の会長の座を降り、John Hennessyが新しい会長になった。〔が、市場は好感せず〕
とりわけ、これまでの各四半期は、売上に占めるトラフィック獲得経費(TAC)が、じわりじわりと増えてきている。それはまだ、赤信号というほどではないが、今後ますますモバイルへのシフトが大きくなることを考えると、将来に向かっての暗い材料ではある。アナリストたちの予測でも過去二回にわたってこの問題が指摘されているが、依然として増加傾向は続いている。
[上がり続けているTAC]
これまでひたすらお金を刷り続け、ウォール街の予測を上回ってばかりいた同社にとって、今日は意外な躓(つまづ)きの石が待っていた。この第四四半期の決算が発表された直後に、株価がダウンしたのだ。同社の株価は、過去一年で50%近くも上がっていたのに…。
[2017年には株価も絶好調]