iOS 11.3に追加が約束されていた「Battery Health」(バッテリーの健康状態)機能の詳細が明らかとなりました。2月6日(米現地時間)に開発者向けにリリースされたiOS 11.3ベータ2にて、設定内に追加された新たな画面が報じられています。
Battery Healthの主な機能は二つにわかれます。一つは新品状態と比較した場合のバッテリーの最大容量(劣化状態)の診断、そしてもう一つはピーク負荷時にスピードを抑える機能をオフにでき、予期せぬシャットダウンのリスクと引き換えに低速化を無効にできるというものです。
バッテリーが劣化したiPhoneが意図的に低速化されていることが2017年末に発覚して以来、アップルは信用回復のために対応策を打ち出してきました。
すでにiPhone 6以降の端末につきバッテリー交換を79ドル(日本では8800円)から29ドル(同3200円)に期間限定で改定する措置は取られていましたが、今回は「iOSにバッテリー管理の新機能を追加する」という公約を着実に実行する格好となっています。
新しいバッテリー管理機能は「設定」~「バッテリー」~ 「Battery Health」を選択すれば利用できます。まず上部のセクション「Maximum Capacity(最大容量)」は、新品の初期状態と比べたバッテリーの容量を表示。つまりバッテリーの劣化状況が診断できます。
その下にある2つ目のセクションは「Peak Performance Capability(ピーク時のパフォーマンス管理機能)」。iOS 11.3ベータ2へのアップグレード直後の初期状態では、管理機能、つまりiPhoneの低速化設定は無効になっているとのこと。
そして、もし予期せぬシャットダウンが起きた場合、パフォーマンス管理は自動的に有効となり、ピーク時のスピードを抑えるようになります。この場合、ユーザーは青文字の「Disable(無効化)」リンクをタップすれば、ふたたびオフにできます。
パフォーマンス管理機能を無効にすると、つぎにデバイスの予期せぬシャットダウンが発生するまでは、手動でオンに切り替えることはできません。そして、再び想定外シャットダウンが起きた場合は、自動的にパフォーマンス管理機能は有効になります。
つまり、一度パフォーマンス管理機能をオフにしても、永続的にそれが無効のままにはならないということ。その都度、Battery Health画面に戻って設定しなおす必要があります。
バッテリーをフル充電したときの容量が新品の80%を下回るほど劣化が進んでいる場合も、パフォーマンス管理機能をオフにすることはできます。その場合は正規サービスプロバイダでバッテリー交換を勧める通知をしたうえで、各種のサービスオプションを提示する予定とのこと。
こうしたパフォーマンス管理機能の無効化は、iPhone 6、iPhone 6 Plus、iPhone 6s、iPhone 6s Plus、iPhone SE、iPhone 7、iPhone 7 Plusのみが対象。iPhone 8とiPhone Xはまだ発売されて日が浅く、バッテリー劣化が進んでいないため対象外です。
Engadget 日本版からの転載。