音楽の使用権を販売できるマーケットプレイス「Audiostock」が2.6億円調達、ラインナップは約9万点

音楽著作権プラットフォーム「Audiostock(オーディオストック)」を運営するクレオフーガは3月2日、スペースシャワーネットワーク日本ベンチャーキャピタル広島ベンチャーキャピタルFFGベンチャービジネスパートナーズトマト銀行港京共創科技投資(HBCC Investment)を引受先とする第三者割当増資を実施した。調達金額は2億6000万円だ。

写真販売サービスの「Snapmart」をはじめ、クリエイターたちが従来とは異なる方法で収入を得られるサービスが近年増えてきている。Audiostockはその“音楽版”と言えるようなサービスかもしれない。

Audiostockは、クリエイターが自身で作った楽曲や効果音などの使用権を、動画製作会社など他のユーザーに対して音楽の使用権を販売できるマーケットプレイスだ。現在、同サービス上には約9万点の音楽使用権が販売されていて、クリエイターは売り上げに応じた印税を受け取ることができる。

音楽を使用する側のユーザーは、サービス上で購入手続きを行うだけで音楽の使用権を取得できる。著作権管理団体等への申請など各種手続きを簡素化できることなどがメリットだ。

先ほど述べたように、Audiostockでクリエイターの楽曲を購入するユーザーの1人として考えられるのは、その楽曲を使用した動画を制作するクリエイターたちだ。最近では、すっかり将来なりたい職業ランキング上位をキープするようになった「YouTuber」たちをはじめ、法人や個人問わず、さまざまな人々が動画コンテンツを制作・公開するという世の中になった。

インターネットの普及などに伴い知的財産権が侵害される被害が増えていることは事実だけれど、法により定められた方法で音楽を利用したいと考えているユーザーにとって、Audiostockを利用することによる手続きの簡素化は大きなメリットとなりうるだろう。

クレオフーガは今回調達した資金を利用して、マーケティング活動やプロダクト開発体制の強化に取り組むとしている。また、機械学習、ブロックチェーン、AI作曲等の先端技術の研究会を創設し、それらの技術を利用した新事業の創出も目指すという。

クレオフーガは2007年10月の設立。Audiostockを開発する以前から、音楽投稿サービスの「クレオフーガ」などを手がけてきた。同サービスのユーザー数は約2万人だという。また、2016年11月には、写真や動画素材のマーケットプレイス「PIXTA」を運営するピクスタとの資本業務提携を結んでいる(記事中に紹介したSnapmartも現在はピクスタ傘下だ)。記事執筆時点における同社の資本金は、3億355万円だ(資本準備金含む)。

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。