ビデオゲームがリアル世界にぐっと近づこうとしている。GTA V(グランド・セフト・オート5)でドライビングのスリルを味わったり、ロサンゼルスのランドマークを覗き見している人なら、ゲームのプレイ中にはるかに多くのことを感じられるようになるだろう。
Googleは、マップAPIをビデオゲームデザイナーに使いやすくした。リアル世界の位置データや形状データが利用できるようになり、1億種類の3D建造物、ランドマークなどが開発者のデザインレパートリーに加わる。ゲーム会社はこのマップを使って作品のデジタル環境の基盤を作る。あらゆるモデルをUnityゲームエンジンのGameObjectに変換して細かい修正をしたり新たなテクスチャーを貼り付けられるようにする。
開発者はニューヨーク市を中世の都市に変えたり、テクスチャーを塗りかえたり、すべてを広大なエイリアン世界に変えたりする。マップAPIにゲーム要素が加わることで、広大な帝国を作り上げる開発者の仕事が大いに軽減される。
「Googleマップの世界基盤の上にゲームを作ることで、レスポンス時間は短く、迅速なスケーリングが可能になり、ゲームがちゃんと動くという安心感が得られる」とGoogleのブログ記事に書かれている。
この改訂は、拡張現実(AR)ゲームの開発者にとっても大きな意味を持つ。通常はゲーム世界でユーザーを案内するのに地域マップを使うのが普通だ。ARCoreを使っている開発者は、このアップデートによって自分の作る世界を地域マップ上に展開して、ユーザーがどこにいる場合でもカスタマイズ可能な体験をもたらすことができる
Googleはすでにゲームスタジオ数社と協力して、マップを新タイトルに組み込む作業を進めている(Walking Dead: Your WorldとJurassic World Aliveなど)。来週サンフランシスコで行われるGDC(ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス)では、システムのしくみについてさらに情報提供するものと思われる。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )