バイオテクノロジー、ロボティクス、フィンテックのスタートアップたちが今日(米国時間3月20日)、Y Combinatorの第26回デモデーでスポットライトを浴びた。今回は23の国から合計141の企業が参加していて、プレゼンテーションは2日間にわたって行われる。マウンテンビューのコンピュータ歴史博物館は、裕福な投資家たちで溢れ返り、一部の人たちは立ち見をしたり、床に座ったりせざるを得ない程だった。一方、マリファナソーダ、風力タービン清掃ドローン、および伝線しないパンストなどのスタートアップ達は、休憩室や駐車場で自社製品のデモを行っていた。
Y Combinatorは、スタートアップスクールの多様化をさらに推し進めた。今回の参加企業の35%は国際企業であり、27%は女性創業者が占め、そして13%の創業者は話題に取り上げられることの少ないマイノリティ出身者である。50人のYCチームには、現在18社のパートナーが参加している。PebbleのEric Migicovskyが、ハードウェア企業の支援と、アクセラレーターの中国での機会を探求するために参加している。
誰もが心に抱く疑問は、一体どのスタートアップが、先行するStripe、Dropbox、Airbnbといった10億ドルを超る15社の後に続くのだろうかということだ。しかしYCのポートフォリオがソーシャルアプリや企業ツールの範囲を越えて、ハード科学イノベーションに広がり、全体の18%がヘルスおよびバイオテックで占められる中で、多くのソフトウェア投資家たちは少々圧倒されているように見えた。1日目の今日行われた64のプレゼンの記録から、読者好みのスタートアップを選んで欲しい。なお、TechCrunchの選ぶ1日目のベストスタートアップについてはこの記事を用意した。また2日目のデモデーの様子については別記事(英語版:翻訳中)を用意した。
Bear Flag Robotics
Bear Flagは自動運転トラクターを開発している。彼らは投入コストを20%削減し、生産量を11%向上させることができると主張している。彼らはすでにカリフォルニアの農場でトラクターをテスト中だ。1台のトラクターに対して1ヶ月あたり4000ドルの課金を行う予定だ。
Universe
モバイルウェブサイトを構築するためのモバイルアプリだ。これまで誰も考えなかったのだろうか?Universeは、Instagramで写真を編集するのと同じ位簡単に、個人的なポートフォリオサイトを構築できるようにする。ユーザーは他のサイトをフォローすることが可能で、そうすることでTumblrのような個人用ブログのネットワークが生み出される。ユーザーたちはiOSアプリを利用して既に10万を越えるサイトを開設している。同アプリはここ数ヶ月で拡張され複数ページのサイトが作れるようになった。アプリは現在2200人の有料会員がいて、月額平均3.40ドルを支払って、アプリのプレミアム機能にアクセスしている。
TechCrunchが以前報告したUniverseの記事については、こちらを参照。
Juni Learning
Juniは、90億ドルの放課後市場を相手にした、子供向けオンライン教育プログラムである。基本的なアイデアは、子供たちにコンピュータサイエンスを、仮想的で1対1のスタイルで教えることだ。Juniによれば、過去6ヶ月間に毎月25%ずつ伸びているという。同社はまた、毎月の更新率が95%であることから、収益性が高いと述べている。
SafetyWing
インターネット上で仕事をしながら、世界を旅するデジタルノマドは2500万人に達する。そしてその就業形態によって医療保険は複雑なものになりがちだ。SafetyWingは月額37ドルの保険料で、180ヵ国(米国では30ドルの追加料金が必要)で使える医療保険を提供する。保険がカバーするのは病院での診察や薬の処方などだが、予防的治療や癌のような既往症に関してはカバーされない。SafetyWingは巨大保険会社である東京海上と提携し、プランを運営している。目標は、フリーランサーとデジタルノマドのための、グローバルセーフティネットを構築することである。スタートアップは将来的には銀行業務と所得保証も視野に入れている。スタートアップは旅行者たちに、健康保険がその価格と手間に見合うものだと納得させる必要があるが、年間150億ドルの市場規模と、5年ごとに倍増するデジタルノマドの数は、医療保険のビジョンの近代化が入り込む余地がある。
TechCrunchによるSafetyWingの記事はこちらを参照。
Macromoltek
Macromoltekは、抗体をデザインするソフトウェアを開発することにより、「創薬プロセスを変える」ことを狙っている。スタートアップは、製薬企業を支援するために、技術と組み合わされた学術研究を使用している。これまでのところMacromoltekには10件の有料顧客がいて、2017年には5万ドルの収益を挙げている。彼らはまた、新しい抗体をデザインするためのLOI(予備的合意書)で50万ドルを確保した。
Passerine
Passerineは鳥のように離陸し着陸する無人航空機を作っている。広いエリアのマッピング、軽量貨物の配送、ライダー(lidar)による測量、電力線のモニタリングといった用途を欲している企業向けに販売しようとしている。
Visor
Visorは、トップゲーマーたちをより熟達したプレーヤーにしたいと考えている。スタートアップは、eSportsのゲームプレイ映像を分析し、ユーザーに対して改善すべきゲームスキルをコーチする。チームは過去30日間に130万分の映像を分析し、3900人を超える月間アクティブユーザーを誇っている。今年の始めの開始以来毎月52%ずつ成長している。
Proven
Provenは、データ、人工知能、機械学習を使用して、個々人に特化した、消費者向けスキンケア製品をデザインしている。人びとに最高のスキンケア製品を提供するために、Provenはビューティーゲノムプロジェクトと呼ばれるデータベースを構築した。この構築に際しては人びとからの800万件に及ぶAIを使ったレビューが集められ、どの成分が人びとに効果があったかが解析された。基本アイデアは、人びとが自分の皮膚に最適な製品を発見することを手助けすることだ。
TechCrunchによるProvenの記事はこちらを参照。
Vena Medical
Vena Medicalは、患者の血管を見ることで、肝臓癌や脳卒中の治療に役立てることができる、「世界最小のカメラ」と彼らが呼ぶものを作成した。。彼らは病院での治験を行っており、彼らの使い捨て医療機器には50億ドルの市場機会があると考えている。「扱われる患者ごとに、別のカメラが使われます」。
Haiku
Haikuは、Unityがゲームのために実現したかったことを、アプリのためにやろうとしている。これは、開発者とデザイナーが一緒に使うことが想定された、簡単なアプリケーション作成ツールだ。それが作成するアプリは、iOSとAndroidのクロスプラットフォームとなる。
Patchd Medical
Patchdは、敗血症を検出するための、胸部に装着する装置を開発した。敗血症は患者が病院で死亡する原因の第1位を占めている。基本的なアイデアは、デバイスがバイタルサインを記録して、分析のために医師に送り返してくれるので、患者はもうモニタリングのために病院に留まっている必要がなくなるということだ。彼らは現在、オーストラリアで試験を行っており、現在20人に対してデバイスを予備テストしている。臨床試験は2019年に行われる予定だ。製品が確実にデータを記録して送信することができて、もし合併症が発生した場合に患者が適宜病院に戻るようにできるなら、Patchdのデバイスは、患者には居心地の良い自宅に戻ることを許しながら、病院と保険会社には膨大な費用を節約させることができるだろう。
Proof
Proofは、ウェブサイトの訪問客を購入客に変えることを助ける。一例として、ウェブサイトは、現在何人の人びとがある製品を見ているかを、訪問者に示すことができる。基本的なアイデアは、こうした通知を行うことで訪問者を購入者に変えようというものだ。Proofには現在、2700の有料顧客がいて、そのコンバージョンの上昇率は平均で10〜15%に達している。Proofの長期的な目標は、マーケティングファネル全体をパーソナライズすることだ。
Openland
Openlandは、土地所有者たちが物件を手に入れる際の、より良い方法を生み出そうとしている。そのサービスは使い易いインターフェイスを介して行われる。インターフェイスは、建築家が利用可能な土地を分類し、土地所有者と迅速に連絡して、資産を評価し、書類を作成できるようにするものだ。Openlandの共同創業者は、建築可能なスペースの90%が販売されていないことが、「不動産業界にとって最大の障害物」だと語る。
SharpestMinds
FAANGたち、すなわちFacebook、Apple、Amazon、Netflix、Googleといった米国最大のテクノロジー企業たちは、大学キャンパスや世界各地で大規模な求人を行っている。しかし、SharpestMindsは、そのような求人リソースを持たない、その他のハイテク企業たちが、他に奪い取られる前に人材を見つけることを助ける、一連のツールを作りたいと考えている。SharpestMindsは、自分のサイトに登録した学生を、トライアルベースで働くことができる企業とマッチさせ、その先の仕事につながる可能性のある、初期の関係を構築する、
TechCrunchによるSharpestMindsの記事はこちら。
Curious Fictions
Curious Fictionsは、読者が短編小説を探し、読み、そして支払うことのできるモバイルフレンドリーなサイトだ。読者は月額5ドル、10ドル、または15ドルを支払うことができ、そのお金は読者がその月に気に入った物語の作者に配布される。個々のストーリーの作成者に心付けを送ることもできる。
TechCrunchによるCuriousFictionについての記事はこちら。
Culture Robotics
Culture Roboticsは、バイオテック企業のために生き物を育てる。「史上初のクラウドバイオリアクターファーム」を構築したことを標榜し、自身をバイオマニュファクチャリングのためのAmazon Web Servicesだと呼んでいる。美容企業のためにバクテリアを生産している。Culture Roboticsは、それを合成生物学、マイクロバイオーム、および細胞療法に適用可能であると考えている。これまでのところ、3件の有料顧客を確保し、1か月に5万ドルの収益を上げている。
Qulture.Rocks
Qulture.Rocksは中南米向けの人事管理システムである。彼らは過去2年間にわたり、毎月約20%の成長を続け、損益分岐点に達している。
AesculaTech
より患者に優しい方法で薬を投与することを目指す、バイオテックのスタートアップである。AesculaTechはカスタマイズされた体内用医療デバイスを製造できるようにする、温度応答材料を発明した。同社の最初の技術の適用はドライアイ症候群の治療に向けられていて、創業者たちはアメリカの2000万人を超える人々に影響を与えることになると語る。彼らの目標は、医療デバイスの製造に使用される主要材料になることだ。
TechCrunchによるAesculaTechの記事はこちらを参照。
Evry Health
Evry Healthは、特定のタイプの顧客を相手にすることで、従業員向け健康保険市場に乗りだすつもりだ。スタートアップが特化するのは、200〜1000人規模の従業員を抱える顧客企業だ。彼らはその商品が競合他社より20%安く、より幅広い範囲をカバーすると主張している。来年の初めには業務を開始し、テキサス州の100億ドルのヘルスケア市場に切り込む予定である。
Aspire
Aspireは東南アジアの中小企業たちに融資を行っている。「クレジット専門家」のチームは、2時間以内に意思決定を行い、翌日までに現金を提供することを約束する。これまでのところ、彼らはわずか8週間で50万ドルのローンを実施している。またCiti、Maybank、HSBCなどの銀行をサポートしている。
Sudden Coffee
Suddenは、同社が「新鮮なスターバックスよりも優れている」と主張するインスタントコーヒーを製造する。主張の根拠はブラインドテストで10人中8人のコーヒーの飲み手が彼らのインスタント商品を選んだからというものだ。現在20の小売店舗に置かれており、程なくREIでも販売されるようになる。彼らの言う「秘密のレシピ」とは、沸騰させずにインスタントコーヒーを作り出す方法を見つけたことだという。
CoinTracker
CoinTrackerは、すべての取引所毎、ウォレット毎、さらには通貨毎に、暗号通貨を追跡するためのプラットフォームだ。現在、多くの暗号通貨愛好家たちが、複雑で膨大なGoogleスプレッドシートを使用してこれを行おうとしているため、自動化されたソリューションは多くの人びとの多くの時間を節約する可能性がある。CoinTrackerはまた、FIFO、LIFOまたはHIFOアカウンティングを使用してキャピタルゲインレポートを計算することにより、納税申告を最適化する機能を備えている。
TechCrunchによるCoinTrackerの記事はこちらを参照。
Supermedium
Supermediumは、仮想現実のために初めから構築されたWebブラウザである。ブラウザを開発するチームは、以前Mozillaで、WebVR標準を定義するためのA-Frameに取り組んでいた。このA-Frameは、アプリやゲームをハードドライブから引き離して、ウェブ上に展開させることを目指すものだ。Supermediumは、そのブラウザを迅速かつ効果的なゲームやデモのためのデフォルトハブにするために、開発者たちと協力している。このアプリのベータ版は、Oculus RiftならびにHTC Vive VRヘッドセットで利用できるようになった。
TechCrunchによるSupermediumの記事はこちらを参照
Sheerly Genius
Sheerly Geniusは、切り裂きや、かぎ裂きに耐え、50回以上の着用に耐える長寿命のパンティストッキングを製造販売している。このパンティストッキングは、防弾チョッキや、クライミング装備に見られるのと同じタイプの繊維で作られている。現在、Sheerly Geniusはベーシックな黒い薄手のパンティストッキングを販売している。将来的には、Sheerly Geniusは、いくつかの異なる色も伴って、「肌色」オプションも提供する予定だ。
TechCrunchによるSheerly Geniusの記事はこちらを参照。
Hexel
Hexelは、どんなWebコミュニティでもすぐに利用できる、独自の暗号通貨を開始することができる。基本的なアイデアは、サイトがそのユーザーたちに対して、アクセスの報酬として渡したり、他の目的のためにトークンを販売することができるようにするというものだが、その暗号通貨はHexelの交換所を経由して他のサイトの通貨と交換することもできる。たとえば、Quora(QAサイト)が、科学の質問に最上位の回答を行った回答者にトークンで報酬を与えることができる。その報酬は自身の答えや質問を広く宣伝するために使うことができるかもしれない。あるいは架空のRedditトークンと、Hexelを介して交換して専門家のために設けられたサブRedditsへの投稿に、用いることができるかもしれない。Hexelは交換所を利用する際に手数料を徴収する。6週間前にHexelが開始されて以来、300の通貨が創出されたが、スタートアップにとって、人気のあるWebプラットフォームたちを説得して、わざわざサイトを複雑にするようなトークンを採用させることは簡単ではないだろう。大部分の人は、いまだに暗号通貨を、Bitcoinのような価値を持たせるものとしてしか理解していないために、多くのユーザー教育も必要になるだろう。
TechCrunchによるHexelの記事については、こちらを参照。
Modern Health
雇用者とその従業員のための精神保健福祉プラットフォームである。Modern Healthは、うつ病や不安に対処するために、従業員たちを医療専門家やデジタルツールへと誘導する。
4週間前に開始されて以来、Modern Healthは年間換算で3万7000ドルを売り上げている。これまでのところ、従業員の利用率は3割ほどだ。
Volley
アメリカの家庭の5軒に1軒には、Alexa、Siri、またはGoogleという名前の新しい家族がいる。Volleyは、家庭用アシスタントハードウェア上で音声ベースのゲームのためのプラットフォームを構築したいと考えている。同社はAlexa上のナンバー1のゲームを所有しており、昨年4月に発売されて以来、900万人のMAUを抱えている。
TechCrunchによるVolleyの記事についてはこちらを参照。
Repl.it
Repl.itは、簡易サーバーレスコンピューティングプラットフォームである。ブラウザのためのアプリを書いて、配備することができる。彼らの主張によれば「コードを開始するための最も簡単な方法」だということで、ユーザーに何千行にも及ぶ複雑なアプリケーションの作成を可能にするものだ。Repl.itは、そのクラウドプラットフォームが、ゲームやその他のインタラクティブなプログラムを構築するために最適だと考えている。
TechCrunchによるRepl.itの記事ついては、こちらを参照。
Trusu
「アジアでの国境のないお買い物」。Trusuによれば、アジアで西洋の製品を手に入れることは困難なことが多い。コストのかかるプレミアムでパッケージ転送サービスを使用する必要があるためだ。彼らは週に1回、一括して製品を輸入し、他の代替サービスに比べて価格を最大75%安いものにする。
Leap
Leapは、テック業界の女性のためのプライベートソーシャルネットワークである。女性により女性のためにデザインされたLeapは、投資家、共同創業者、メンター、仕事その他のものを探す支援をする。Leapは実名を使用するが、匿名の投稿も許されていて、議論の管理は控え目だが、大部分の男性が管理するソーシャルネットワークにあるような乱暴な議論は見られない。Leapには2000人のユーザーがいるが、米国のテック業界に480万人の女性がいることを思えば、成長の余地は大きい。ソーシャルネットワークがそのユーザーを引き留め、ユーザーたちが何を買うかを理解することができたなら、その長期的な価値は、とても大きなものになる。
問題は、Facebookやそのグループの機能のような大規模なネットワークがある中で、このようなちょっとしたニッチなソーシャルネットワークが、乱用を阻止しつつより多くの人びとに対する議論空間の創出に焦点を当てながら、成功することができるかどうかであろう。Leapのプライベートベータ版はサインアップを受け付けている最中だ。
Avro Life Science
薬物投与のための皮膚パッチを開発するライフサイエンス企業である。皮膚パッチは、薬剤を皮膚を通して直接血流に届くようにすることで機能する。すなわち、Avroの皮膚パッチを使うことで、薬を飲み込む必要がなくなり、胃腸に負担をかける必要もなくなるのだ。
Avroは、Benadryl、Zyrtec、Claritin、Aeriusといった何百もの薬物向けのパッチを作成している。またAvroの研究は、季節性アレルギーの緩和という点でも有効性を示している。Avroは、2019年の第2四半期までにFDAの承認を得る予定だと語っている。
Sourcify
Sourcifyは、企業たちが製造パイプラインと関わる方法に取り組み、製品調達のためのFlexportになることを目指している。彼らは、製造の世界からExcelを追放し、そのソフトウェアを浸透させたいと考えている。スタートアップは、すでに700以上の工場を「事前調査」しているため、業界に視覚化と透明性を提供できると語っている。
Lawyaw
Lawyawは 「法律事務所のためのインテリジェントなテンプレート」を開発している。元法律事務所のパートナーと、元Googleのエンジニアによって開発されたもので、自然言語処理を使用して弁護士の既存の文書から新しい法的文書を作成し、後にそれをテンプレートとして再利用できるようにする。 800人以上の弁護士が現在このサービスを利用しており、これまでに2万3000件のテンプレートが作成されている。
The Lobby
The Lobbyは求職者が、様々な会社内部の人間と1対1で対話をする手助けをする。履歴書のレビューと、模擬インタビューにより、スタートアップは、求職者が 「自分が望む仕事をしている実際の人間からアドバイスを得る」ことを助けるのだ。同社はすでにJPモルガンやバークレイズのようなトップ投資銀行と協力し、総額10万ドルの取引を行い、対話料の45%をマージンとして徴収している。高度に熟練した仕事を探している米国人が4000万人いることを考えると、市場機会は24億ドルに達すると彼らは期待している。Lobbyは「雇用者をタレントスカウトに変える」のだ。
Vathys
Vathysは人工知能のスタートアップである。競争相手よりも10倍速いといわれる深層学習チップを作っている。計算そのものはチップの消費電力の8%を占めている。創業者によれば、残りはデータの移動に使われている。データの移動に対処することで、Vathysは競合製品よりも10倍高速なプロセッサを開発した。同社はすでに5万ドル分の購入注文を受けている。
California Dreamin’
California Dreaminは大麻成分が注入された、THC(テトラヒドロカンナビノール:大麻の幻覚成分)スパークリングジュース飲料だ。ビールを少し飲んだときと同様に、少々あなたを陽気にする。マリファナの合法化は、巨大な新産業への扉を開いたが、その中には、とにかく煙だったら何も吸いたくない人たちのための、精神活性製品も含まれていた。一本の小売価格は8から10ドルであり、10mgのエネルギーTHCが含まれている。これが標準的な量だ。味は甘いが、土っぽい植物のかすかな香りがある。そして1本に100mgほども有効成分を投入した競合製品に比べて、1本飲み切ったからといってソファーの上に倒れ込むようなこともない。もしCalifornia Dreamin ‘が、アルコールによる二日酔いを避けながらもなにかリラックスできるものを摂取したいと考える、ベビーブーマーやサッカーママたちにアピールできるなら、ビジネスチャンスは大きいだろう。California Dreamin ‘は、ベータプログラムで1万ドル相当分を売却した後、サンフランシスコの薬局に、娯楽用途として最初のロットを送り出し始めたところだ。合法的大麻ビジネスは年間100億ドルで、毎年30%ずつ増加しているが、California Dreamin’は、人びとを大麻に切り替えさせることで、210億ドルのアルコール市場の一部を奪いたいと考えている。
TechCrunchによるCalifornia Dreamin ‘の記事はこちら。
Rhythmm
Rhythmmは、専門家や興味深い人たちのライブチャットを、他の人たちにフォローさせることが狙いだ。スタートアップは、Telegramのチャットグループから人びとが得ている知見を集め、独自のプラットフォームで全てのノイズを取り除こうとしている。チャット作成者から招待された人だけがチャット参加でき、他のメンバーはすべてチャットをフォローするだけとなる。
Algosurg Inc
Algosurgは外科手術をシミュレートするアルゴリズムを構築した。彼らは「ロボットは手術の未来である」と信じており、Tabplan3Dと呼ばれるものを開発した。これは外科医がX線の代わりにクラウド技術を使い、3D仮想手術計画を使って準備を行うことを支援する。彼らは4件の特許を持ち、FDA承認手続きの最中である。
OSIMple
OSIMpleは、自動化されたインフラストラクチャ検査の構築を支援する。言い換えれば、ソフトウェアが、道路、鉄道、橋、そしてダムのようなものの検査の最適化を支援するのだ。彼らのソフトウェアを使い500の異なる橋が6ヶ月で検査された。そして彼らは2つの大企業から、基本合意書(LOI:letters of intent)を受け取っている。
Orangewood Labs
Orangewood Labsは、オンデマンドで家具を作るために、大型の3Dプリンタ風の木材切断ロボットを使用している。在庫を抱える必要がないため、Orangewoodは売れ残り商品や巨大な倉庫のコストを削減することができる。3Dデザインをクラウドソーシングすることで、自宅にピッタリとなるように、異なるスタイル、色、そしてサイズへの調整が可能になる。多くの商取引がオンラインに移行するにつれ、顧客が購入前にすべてを直接テストすることは不可能になった。おそらく、Orangewoodは、拡張現実を使って顧客が自宅で机や椅子を実質的に試してみることができるようにするだろう。スタートアップはすでに200万ドル分の注文を獲得している。
OpenSea
OpenSeaは、暗号資産やグッズを購入、販売、発見するためのピアツーピア市場である。Coinbaseが暗号通貨のための交換所として機能していることと同様に、これはそれ以外の全てのブロックチェーン上の資産タイプのための市場だ。対象として含まれるものには、ソフトウェアライセンス、グッズ、Cryptokitties、その他のブロックチェーン上の他のデジタル商品などがある。ここ2ヶ月で、OpenSeaは軽々と50万ドル分の取引を達成した。
Playing Viral
Playing Viralはインドネシアのスタートアップだ。広告主のための見込み客を集め、オンラインパブリッシャーを支援する。チームはビジュアル広告ユニットに関するアンケートを行い、テキストを分析することで、ユーザーが確かに自分の言語や方言でアンケートを受けていることを確認する。
Correlia Biosystems
Correlia Biosystemsは、UCバークレイのバイオエンジニアリングリサーチからスピンアウトした企業である。血液の微量サンプルを分析することができるために、「小さな血の一滴から、より多くのデータを得ることが容易になった」。彼らは、薬剤応用のための、タンパク質定量測定の時間とコストを削減することによって、「次世代タンパク質検出への扉を開きつつあるのだ」と主張している。これまでのところ、彼らは3ヶ月で5万5000ドルの収益を得て、基本合意書(LOI)によって930万ドルの資金も確保している。Correliaは、これが16億ドルの市場機会であると考えている。
Sqreen
Sqreenは、Webアプリケーションの中で実行され、攻撃を防ぐためのツールである。これは、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング攻撃を識別してブロックするために、アプリケーション内でユーザーの動作を監視する。現在、Ruby on Rails、NodeJS、そしてPython上に構築されたアプリケーションで動作する。
Sqreenは2016年のTechCrunch Disrupt SF Battlefieldに参加していた。TechCrunchによるSqreenの記事についてはこちらを参照。
Piccolo
音声アシスタントが、イマドキの家庭用品のありようなのかもしれないが、Piccoloは利用者のスマートフォンを、利用者の手でコントロールしたいと考えている。いや、いまあなたが既に行っているようなものではなく、ジェスチャーを使用するのだ。ライトを指差して点灯したり、テレビの前で手を動かすことで、ビデオを前後にブラウズしたり、などなど。会社は利用者の骨格の位置座標を取り込むことのできるスマートカメラを開発し、利用者がコントロールしたいと思っているものを判別する。
TechCrunchによるPiccoloの記事に関してはこちらを参照。
NexGenT
ブートキャンプは2010年代半ばに、大変人気を博したが、その後大きな打撃を受けてきた。NexGenTは、エンジニアが生産のための準備を整えることができるようにするという基本を抑えつつも、また異なるアプローチを採用している。NexGenTは、誰かを3ヶ月で万能の開発者にする努力をするのではなく、受講者をネットワークエンジニアにするための認証プログラムに集中している。プロセスの期間は長くなるものの、よりしっかりしたものになることが期待されている。
TechCrunchによるNextGenTの記事に関してはこちらを参照。
VOICERY
Voiceryは、自然な感情や抑揚を備え、囁きや冗談に利用できる超リアルなコンピュータの音声を合成する。 70%の人びとが、その声をAmazon Alexaよりも好むということだ。Voiceryは、コンピューターを1つの特定の声を模倣するように訓練するのではなく、数百の人間の声を分析して、ディープニューラルネットワークを訓練し、その製品に役立てている。ボイスオーバーはボイスオーバーの生成、ニュースの読み上げ、テレビ番組の吹き替えなどに使うことができるだろう。既にオーディオブックの制作に対して30万ドルの基本合意書(LOI)を得ている。多くの音声対応デバイスが毎日市場に登場していることを思えば、異なるブランドにそれぞれ独自の声を与える大きな市場が存在しているだろう。
TechCrunchによるVoiceryの記事についてはこちらを参照。
LetsDoThis.com
5キロ、ハーフマラソン、その他のレースのような、持久力を競うイベントのマーケットプレイスを提供する。Let’s Do Thisは、登場して以来2週間毎に収益が倍増していると語る。これまでのところ、IronManやThe Color Runのような850以上のレースと提携してきた。
Shone
Flexportは、貨物業界がどれほど改革のための機が熟していたのかを示した。Shoneは独自の技術で古い貨物船を改造して、出荷荷物の配送を自律化し、遠隔操作する。
Quit Genius
Quit Geniusは、「喫煙をやめるのを助けるためのパーソナライズされた療法を提供する」アプリだ。それは人びとが喫煙する理由を特定し、それを克服することを助けることを狙っている。彼らは、従業員を支援するためにQuit Geniusに対して支払いを行う「巨大テクノロジー企業」を含む複数の会社と協力している。スタートアップによれば、喫煙をやめようとする人びとのために100億ドルの市場があると言う。そしてやがて酒類やその他の中毒にまで拡大したいとのことだ。
Molly
MollyはAIを使用して、有名人や分野専門家など、同じ質問を頻繁に聞かれる人のためのQ&Aを生成する。
Flint
Flintは、スキャン可能なQRコードを使用して、商店や友人に支払いを行うことができる、メキシコのモバイルバンキングソリューションである。そして、全人口のなかで銀行口座を持たない56%の層に向けて、Flintはアプリのアカウントを介して、近隣の店舗やレストランで現金の入出金を行うことのできるサービスを提供している。それは実質的にはクラウドソース型のATMである。WeChatとAlipayが中国で行っているようなことを行うFlintによる支払い金額は、毎月5倍に伸びている
Tingles
リラクゼーションのためのビデオプラットフォームである。Tinglesは、リラックスして眠りにつくことができるようにデザインされた、iOSとAndroidのためのアプリである。これはASMR(autonomous sensory meridian response:脳がとろけるように気持ち良くなる現象)と呼ばれるビデオジャンルで、年間で130%ほど伸びているものと推定されている。現在、月間アクティブユーザー数は6万人で、毎日約1.3時間分のコンテンツを閲覧している。
Runa HR
Runa HRは給与計算を自動化して、ラテンアメリカの中小企業を支援したいと考えている。スタートアップは、米国の競合他社と似たような価格設定をしているが、従業員の全てのニーズを解決していない、他社の高価で中途半端なソリューションに対して、ラテンアメリカならではのちょうどよいバランスを目指そうとしている。Runaのチームは、最終的にはラテンアメリカの中小企業向けソフトウェア事業全体を引き継ぐことができると考えている。
Aerones
Aeronesは風力タービンを清掃するドローンを開発した。彼らはこれが、人間が清掃するよりも安全で効率的な代替品であると信じていて、14億ドルの市場機会があると考えている。彼らは重量物を持ち上げることにできるドローンを所有しており、最終的には建物を清掃したり、石油、ガス、太陽光発電などの産業向けの応用を行うことを望んでいる。Aeronesによれば、これまでに5000回の清掃に対して、7つの基本合意書(LOI)を受け取っており、収益は500万ドルに上る。
Snackpass
Snackpassは、配達ではなく持ち帰りに焦点を当てた食品注文アプリである。彼らはイェール大学でフィールドテストを実施しているが、そこでは学生の50%が毎月利用していると言う。ソーシャルネットワーク主導のロイヤルティカードの側面が、彼らによれば、成長の一因を支えているということだ。
Reverie Labs
Reverie Labsは、機械学習を使用して、公開された分子研究をスキャンし、独自に分子を変更および開発し、創り出した薬を大手製薬会社にライセンス供与している。スタートアップは、分子ライセンスを1億ドルで売ることができると主張していて、すでに8700万ドル相当のマイルストーン契約を締結しているということだ。2019年末までに、臨床試験の準備が整うことが期待される3つの薬剤がある。これは、ほとんどの製薬企業が行う作業よりもはるかに迅速だ。このハーバード大学とMITのチームは、エンジニアリングに焦点を当てたスタートアップの性格を活用して、大手製薬企業が取り込むことのできない機械学習の人材を採用している。そして最終的には、完全な開発体制を整えて、自分自身の薬を売りたいともくろんでいる。
TechCrunchによるReverie Labsの記事はこちら。
Worklytics
Worklyticsは、退屈なチームミーティングを取り除きたいと考えているが、見るべき正しいレイヤーはおそらく管理層だ。このツールは、1対1レビューやコードコラボレーションのような適切なプロセスが行われているかどうかだけでなく、従業員の集中度なども同時に追跡する。個別の従業員は追跡しないものの、チームから集めたデータを使用して、企業の効率的な運営を支援するために最も効果的なものが何かを発見する。
TechCrunchによるWorkLyticsの記事についてはこちらを参照。
tEQuitable
職場のハラスメントを解決するための、第三者機密ソフトウェアプラットフォームである。従業員が差別または嫌がらせを受けていると感じた場合に、アプリを開いて専門のアドバイザーに相談することができる。その後、当該の問題にアプローチするか、正式な苦情として提出するかのアクションプランを選択することになる。
その後tEQuitableはデータを集約し、企業文化を修正するためのアイデアを提示する。同社の12万ドル相当のパイロットプログラムの顧客に含まれているのは、Twilio、GitHub、Obvious Venturesなどである。
Storyline
Storylineは、コーディングすることなく、Alexaプラットフォーム用のコンテンツアプリを、人びとが簡単に作成できるようにしたいと考えている。同社は、YouTubeがビデオに力を与えているように、Storylineを使ってAlexa全体のコンテンツに力を与えたいと言う。スタートアップのアプリは既に、500のアプリに使用され、毎月18万人のアクティブユーザーを抱えている。
TechCrunchによるStorylineの記事についてはこちら。
CaptivateIQ
CaptivateIQは、販売手数料を計算するソフトウェアである。彼らは、手数料計算の80%には間違いがあると考えており、それが正しく行えるように助けることができると信じている。まずはハイテク産業を相手に始めているものの、最終的には15億ドルの市場機会があると考えている。また同社は、手数料を超えて、さらに企業が収益を増やすことを助けることができるとも考えている。
Ovipost
現在のコオロギ飼育は職人芸の世界だが、Ovipostそのプロセスを支援し、やがて科学に変えたいと願っている。まずは孵化と卵の収量を最適化することを狙うことで、Ovipostはコオロギを生産するための労働コストを削減しようとしている。コオロギは直接消費者の食品源になる。
TechCrunchによるOviPostの記事はこちらを参照。
Veriff
Veriffは、オンラインIDの検証や、運転免許証、パスポート、およびウェブサイトのIDの処理に特化したStripeになりたいと考えている。彼らは2月に6万ドルの収入を得て、現在利益を上げている。彼らは検証ごとに1ドル以下の課金を行う。
ObserveAI
ObserveAIは、AIを用いて、コールセンターエージェントの品質保証を行うサービスである。彼らは、自然言語処理を使用して、コールセンターエージェントが顧客とどのように対話しているかを分析し、より効果的に行うための提案を行う。同社は顧客サービスエージェント1人あたり年間1000ドルを請求する。
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(翻訳:sako)