ぼくがHuaweiの旗艦製品の説明を受けた最後の二度は、おかしなことが起きた。同社のアメリカでの流通計画に対する大きな障害物がある、というニュースが発生したのだ。最初のはCESの真っ最中だったが、AT&Tが手を引いた。次は大画面のスマートフォンP20のローンチ直前に、Best BuyがHuaweiを切る決定をした。ただしHuaweiによると、P20はアメリカで売りたい機種には含まれていない。
この中国のハードウェアメーカーがまさにアメリカでかなりのプレゼンスを確立しようと努力しているそのときに、相次いでそんなことが起きた。しかし米国政府による拒否の余波が広がる中で同社は、逃げも隠れもしないと意地を張っている。
CNETに宛てたメールで同社の消費者部門のCEO Richard Yuは、その強気を再確認した。“われわれはワールドクラスの製品とイノベーションをお届けすることにフォーカスし続けることによって、アメリカ市場とアメリカの消費者の信頼を勝ち取りたい。われわれがその信頼を裏切ることは、決してない”、とYuは主張する。
YuはAT&Tとの契約が破談になったときも、CESのステージで同じ気持ちを述べたが、今回はそのときほど激しい口調ではない。Yuの再説はもっぱら、アメリカのさまざまな安全保障部門からの度重なる警告はあったけれども、この騒動全体が度外れである、という主張の繰り返しだ。
“安全保障のリスク云々は根拠のない疑いに基づいており、率直に言って不公平である”、とYuは付け加える。“それらが事実に基づいている主張なら、オープンで透明な議論を歓迎したい”。
これらの主張が同社の意図を表しているとしても、この世界で三番目に大きいモバイル市場にHuaweiが食い込むのは、相当に厳しいだろう。アメリカではスマートフォンを通信企業(電話会社)から買うことが多いが、同社が頼みにできるキャリアは存在しない。しかもアメリカ最大の量販店にフラレたことは、傷口に塩である。
そして今後同社が起死回生に成功したとしても、国防総省の警告があるかぎり、アメリカの消費者に売るのは難しい。