企業がAppleのデバイスを容易に管理できるようにするサービスFleetsmithが今日(米国時間4/10)、Upfront VenturesのリードによるシリーズA、770万ドルの資金調達を発表した。
シード投資家のIndex VenturesとHarrison Metalも、このラウンドに参加した。これで同社の調達総額は1100万ドルになる。同社はさらに、Puppetのファウンダーで元CEOのLuke Kaniesが同社の顧問団に加わったことを発表した。
Fleetsmithは、中小企業によるAppleデバイスのデプロイと管理を助ける。デバイスは、コンピューター、スマートフォン、iPad、Apple TVなど、さまざまだ。これらのデバイスを手作業で全社内的にデプロイすることは時間のかかる作業になり、大企業ではそれをとっくに、そのほかの商用オプションや内製のソリューションに任せている。Fleetsmithは、そのような効率的なデバイス管理をクラウドサービスとして提供することにより、中小企業でも利用できるようにした。
協同ファウンダーのZack BlumとJesse EndahlはそれぞれDropboxとFandomの出身だが、二人とも前の会社ではAppleデバイスの購買と社内デプロイを含む職務を担当していた。そして、そのための中小企業向けの良い方法が市場に存在しないことを、痛感していた。
“Macの編隊をデプロイしてそのセキュリティをインターネットから管理するには、どうしたらいいのか? そのソリューションを、作るか買うかの検討から、やるべきことがまだ多く残されていることを知った。GoogleやFacebookにはすでに内製のMac管理ツールがあるが、それらのツールの民主化にわれわれは挑戦した”、とCEOのBlumは語る。
同社は、AppleがApple製品のプロビジョニングを容易にできるために提供しているデバイス管理サービスDevice Enrollment Program(DEP)を利用することにした。顧客企業のIT管理者がDEPの登録ユーザーなら、Fleetsmithを使って人力不使用のデプロイができる、とBlumは説明する。すると社員はラップトップなどどんなデバイスでもオーダーできるようになり、Wi-Fiに接続したらFleetsmithに接続し、デバイスの構成が自動的に行われる。
Blumは曰く、“EDPのいいところは、それをうちのサービスと統合すると、社員がWi-Fiに接続した途端に、デプロイのお世話をすることだ。アカウントが作られ、ソフトウェアがインストールされ、ドライブは暗号化される。新しい社員をインストールし登録する作業が、とても簡単だ”。そうやって必要なものすべてのセットアップが完了すると、アドミンは重要なアップデートを強制できるようになるが、ただしアップデートをする前にはシステムがいくつかの警告をくれる。
新たに同社の顧問になったKaniesは、声明でこう言っている: “Fleetsmithは、完全なオートメーションだ。細かい作業をすべてコンピューターにやらせて、人間はトラブル対策よりも本来の仕事に専念できるようになる。中小企業には人がいないし、冗長性のための余分のコンピューターもないから、このことがとくに重要だ”。
このクラウドサービスのアクセス料金はデバイス1台あたり年間99ドルだ。フリーミアムなので、デバイス10台までは無料で利用できる。同社は2016年に創業され、現在20名の社員がいる。顧客は、HackerOne, Robinhood, Nunaなどだ。