カナダのジャスティン・トルドー大統領とケベック州のフィリップ・クイヤール首相は、Appleならびに製造大手AlcoaおよびRio Tintoの主要役員らと共に、温室効果ガスを出さない新しいアルミニウム精錬法を発表した。
AlcoaとRio Tintoはモントリオール拠点のジョイントベンチャー、Elysisを設立してこのプロセスを推進し2024年の商用化を目指す。製造工程で発生する炭素を酸素で置き換えることに加え、新技術はコストを15%程度引き下げることも期待されている。
Appleがこの技術に飛びつき、ジョイントベンチャーに1300万カナダドル(1000万米ドル)を投資する理由は明白だ。同社は過去数年間、あらゆる分野で炭素排出量削減を強く押し進めてきた。つい先月Appleは、全世界の自社施設を100%クリーンエネルギー化したことを発表した。
「Appleは地球にとって良い技術、今後何世代にもわたって地球を保護するのに役立つ技術を前進させることに取り組んでいます。私たちは、この野心的な新プロジェクトの一翼を担うことに誇りを持っており、将来的に温室効果ガスの直接排出を伴わない製法で作られたアルミニウムを私たちの製品の製造に使うことができるようになることを期待しています」とTim Cookはリリース文で述べている。
関係各社とカナダおよびケベック州政府は、この先見的取組みに合計1.88億カナダドルを投資した。新事業の拠点はモントリオールに置かれるが、米国製造業界も分け前にあずかる。Alcoaはこの工程を用いた小規模な精錬をピッツバーグ郊外で2009年から行っている。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )