アップルがiOSおよびMac用App Storeのガイドラインを改訂し、全てのアプリについて無料トライアル期間の設定が可能となったことが明らかになりました。
アプリ開発者は無料で試用できる期間を設定し、購入前のユーザーにお試しで体験してもらうことが可能に。開発者とユーザー、どちらの側からも要望の高かった仕組みがようやく導入されることになります。
今回改訂されたのはApp Store審査ガイドラインの3.1.1 App内課金の項目。非サブスクリプション(定期購読)型のアプリについて、アプリ内購入で「無料トライアル」を購入することで、一定期間のお試し使用ができる旨の記述が追加されました。期間終了後は、改めて有料で買うかどうかを選ぶことになります。
実は購読型アプリに関しては2018年1月から無料トライアルが導入されていました。今回はこの要素を全アプリに対して開放したかたちです。
これまでの無料トライアルが許されていない状態では、有料の買い切りアプリ開発者は、ユーザーに使い勝手の良さを実際に体験してもらうことが難しく、またユーザー側に立てば触ったこともないアプリを一か八かで購入する心理的な抵抗もありました。
こうした事情から、今回の無料トライアル解放は、開発者とユーザーの双方にとって待ち望まれていたものと呼べるでしょう。特に高価な価格設定にせざるをえないものもあるMacアプリには、多大な効果があると思われます。
今回はガイドラインにわずかな記述が加筆されただけですが、これがApp Storeやアプリ開発者にもたらす影響は計り知れないものとなるかもしれません。
Engadget 日本版からの転載。