全世界のスマートフォン向けアプリ市場を二分している、iOS向けの「App Store」と「Android端末用のGoogle Play」。これら2つの2018年上半期(1月〜6月)におけるダウンロード数や収益などの推計データが発表されました。
これによると、同時期におけるApp Storeの収益は226億ドルに対して、Google Playは約118億ドル。そして両者のダウンロード数はそれぞれ150億件と360億件とのこと。
つまりApp Storeは半分以下のダウンロード数で、Google Playの2倍以上もの収益を得たとの結論が述べられています。
この分析データを公表したのは、スマートフォンアプリ分析企業のSensor Tower。同社が今年上半期のモバイルアプリおよびゲーム市場を分析したところ、両プラットフォームのユーザーは合計で約344億ドルを支払ったとのこと。その内訳は、前述のとおり。
ただし前年同期と比べてGoogle Playは29.7%増えたのに対して、App Storeは26.8%アップ。成長性においてはGoogle Playが優る結果が出ています。
2つを合わせたスマートフォンアプリのダウンロード数は約510億で、2017年の上半期(458億)よりも11.3%増加。収益の合計は前年の269億ドルから344億ドルで27.8%アップとなり、市場全体が成長基調にあることが見て取れます。
なぜGoogle Playはダウンロード数で優るのに、収益で劣っているのか。その理由として、Androidが開発途上国で普及率が高いことと、Google Playが中国では利用できない(App Storeは提供されている)ことが指摘されています。
中国のアプリ市場は、2016年の時点でApp Storeの収益額が日本を抜いて世界2位に。アップルの中国に対する忖度がうかがえそうな現象が起こっているのも頷けるところです。
さらに興味深いのが、世界的なモバイルゲーム市場の収益について。2017年には前年と比べて約30%増の483億ドルで、アプリ収益全体の82%近くを占めたとのこと。
その勢いは2018年上半期にも衰えることなく、App StoreとGoogle Playの合計で推定266億ドル、アプリ全体の約78%にも上る額に。前者は前年同期の15.1%増、後者は26%増ということで、Google Playの躍進が目立ちます。
そして両ストアでのゲーム収益トップ3は、テンセントの王者栄耀とミクシィのモンスターストライク、アニプレックスのFate/Grand Orderで、3つのうち2つが日本生まれのゲームという結果に。
このうちFGO(略称)については米WSJでもゲーム内課金に700万円以上を費やしたプレイヤーが紹介されていましたが、日本の重課金兵がワールドワイドな市場に財力という宝具を振るう時代が到来したのかもしれません。
Engadget 日本版からの転載。