ウェアラブル会話デバイス開発のBONXがリコーから4.5億円を調達、音声ビッグデータの活用も

独自のイヤホン型ウェアラブルデバイスとアプリを連動させたコミュニケーションサービス「BONX」を提供するBONX。同社は7月17日、リコーと資本業務提携を締結したことを発表した。

今後リコーの顧客接点力などを活用してBONXのサービスを拡大させていくほか、両社のサービス間の連携を深めていく方針。また会話ビッグデータの活用にも取り組む。

なおBONXではリコーに対し約4.5億円の第三者割当増資を実施したことも合わせて発表している。

BONXについてはこれまでも何度か紹介しているが、片耳に装着する専用デバイス「BONX Grip」とスマホアプリを組み合わせて使う会話サービス。スマホとBluetoothを接続しておけば、携帯電波の入るところであれば、遠距離や悪天候でも相手と会話ができる。

人の声だけを高精度で検知し、機械学習により周囲の騒音環境に合わせて音声を自動的に最適化する発話検知機能や、誰かの電波状況が悪化しそうなときは音声で通知し、接続が切れても自動的に再接続処理を行う機能などを搭載。

もともと創業者の宮坂貴大氏の「スノーボード中に仲間と話したい」という思いから生まれたプロダクト。激しい向かい風の中でもクリアな会話ができるようにノイズキャンセリング機能も備えているので少々劣悪な環境であっても対応できる。

2017年12月からはビジネス用のコミュニケーションツール「BONX for BUSINESS」も提供を開始。30人までの音声グループコミュニケーションをスムーズに実現できることを特徴に、総合商社や物流企業、小売企業などで活用が進んでいるようだ。

冒頭でも少し触れた通り、今後BONXのソリューションをリコーの顧客接点力やサポート力を活かして拡販するほか、インタラクティブホワイトボードなどのリコー製エッジデバイスにBONXの技術やソリューションを組み込み、企業の働き方改革への取り組みを支援する計画。

また蓄積された音声コミュニケーションデータを用いて職場環境のモニタリングや効率化に活かすなど、会話ビッグデータの活用にも力を入れていくという。

なおBONXは2014年の創業。2018年2月に発表していたシリーズAラウンドでは慶應イノベーション・イニシアティブなどから総額4.5億円を調達。それ以前にも助成金や融資、VCからの出資などにより総額約3億円を集めている。

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TechCrunch Japan

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