今日(米国時間7/18)、ジェフ・ベゾスの宇宙企業、Blue Originはテキサスの基地でこれまででもっとも重要な発射実験の一つを実施した。今回のテストでは上空で乗員カプセルの脱出用ロケットが点火され、カプセル、ブースター双方を無事回収することに成功した。ブースターからの切り離し直後に乗員カプセルのロケットが予定どおりのタイミングで点火され、カプセルはこれまでで最高の高度を達成した。
このテストの成功はジェフ・ベゾスの宇宙企業にとって非常に大きな意味がある。Blue Originでは、このテストが成功すれば今年中に最初の有人飛行に進めるとしていた。
今日のテストはBlue Originとしては9回目、New Shepardロケットとしては3回目の打ち上げだった。2万人以上がYouTubeでのライブ中継を見た。Blue Originによるハイライトを下にエンベッドしてある。回収されたカプセル、ブースターとも再利用を前提にデザインされているという。
ブースターのロケットは2分半程度作動し、噴射停止直後にカプセルの脱出モーターが作動し、カプセルはさらに上昇した。ブースターは降下し、着陸脚を展開し、逆噴射によって降下速度にブレーキをかけ、着陸パッドにタッチダウンした。一方、カプセルは3基のメイン・パラシュートを展開して地上に戻った。ビデオを見るかぎり、双方とも理想的な状態で作動したようだ。
テストは全体で11分程度かかり、カプセルは最高時速3600キロ、高度は宇宙との境界とされる100キロを超えて118.8キロを達成した。
今回のテストでは情報収集のためにSkywalkerと呼ばれるダミー人形がカプセルに搭載された。 Blue Originでは近い将来、人間の宇宙飛行を予定している。ビデオストリーミングでガイドを務めたAriane
Cornelは「[ダミーは] 最大で10G程度を経験するかもしれない。しかしこれは十分人間が耐えられる範囲内だ。ことに今回のようにごく短時間であり、リクライニングシートに着座してうればまったく問題ない。われわれは乗員を無事に帰還させることを最大の目的としている」と述べている。乗員カプセルの脱出用ロケットは静止状態から宇宙空間まであらゆる状況で作動するようデザインされているという。今回のテストの大きな目的は高高度で脱出ロケットが正常に作動し、カプセルを安全に地上に戻せるこを確認するところにあった。
Blue Originでは早ければ今年末には有人飛行を開始する。商用飛行の開始についてはまだスケジュールが発表されていないが、「皆さんを宇宙にご案内するのが待ちきれない」とCornellは付け加えた。
下はテストのストリーミング中継の録画〔7:00ごろから中継が始まる。全50分程度〕。
[原文へ]
(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)