営業マンたちは、日頃話すことに時間を費やしている。彼らは電話で喋り会議に出席しているが、Salesforceに入力をする段になると、キーボードの前に座ってノートや進捗をタイプしたり自分の営業成績に関する指標を検索したりする。本日(米国時間9月19日)Salesforceは、その状況を変えるためにEinstein Voiceを導入することを決定した。これは営業マンたちがタイピングする代わりにプログラムに対して話しかけることを可能にするちょっとしたAI魔法だ。
Einstein Voiceをご紹介します。誰でもSalesforceに話しかけることができるようになりました。
詳しくは9月25日〜28日の#DF18(第18回Dreamforce)にて
Amazon AlexaやApple Siriが、仕事以外の日常生活の中で、デバイスに対して語りかける行為をありふれたことにしている世界の中で、企業がそのようなインタラクションを仕事の場所に持ち込もうと考えることは自然である。
この場合、利用者は会話を通して会議の情報を入力したり、その日の会議から重要事項を抜き出したり(車で移動する営業マンには特に有益である)、問い合わせをタイプする代わりに質問することでSalesforceのデータダッシュボードとやり取りしたりといったことが可能になる。
これらのツールはすべて、忙しい営業マンたちの日常業務を楽にするためにデザインされている。大多数の人は仕事の中の管理業務的な部分を嫌っている、なぜなら情報を入力する行為は(長期的には記録を残すことで有益であるとしても)、商品を売るという最も重要な仕事以外の行為だからだ。
会議のメモに関しては、スマートフォン上でタイプする(まあそれだけでも一苦労なのだが)代わりに、ただEinstein VoiceモバイルツールのMeeting Debrief(会議報告)ボタンをタッチして、メモを喋って入力を始めれば良い。するとツールが、言っていることを解釈する。ほとんどの文字起こしサービスと同様に、これは完璧ではなく多少の修正が必要かもしれないが、ほとんどの仕事はおこなってくれるだろう。
また、日付や取引金額などの重要なデータを取り出すことができ、フォローアップするアクション項目を設定することができる。
CRM Essentialsの創業者でプリンシパルアナリストを務めるBrent Learyは、人びとが音声インターフェイスの使用をより快適に感じるようになって来ているため、これはSalesforceにとっての自然な進歩だと述べている。「私は、顧客体験と従業員の生産性の両方の観点から見て、これは音声ファーストのデバイスとアシスタントを、CRMパズルの重要なピースにするものだと思っています」と彼はTechCrunchに語った。
既にTact.AIが、Salesforceのユーザーたちにこのような音声サービスを提供してきたことは指摘しておく価値があるだろう。TactのCEOであるChuck Ganapathiは、Salesforceの参入をあまり心配しているようには見えない。
「会話型AIはエンタープライズソフトウェアの未来です。そこで問われているのはもしそうなったらとか、いつそうなるのかということではありません。そこで問われているのは、ではどのように提供するのかということなのです。その解を提供するための唯一の道は『中立戦略』だと私たちは強く信じています。私たちがMicrosoft、Amazon、そしてSalesforceの支援を受けている唯一の企業であることは当然のことなのです」と彼は語る。
Learyは、誰にとっても成長の余地は大きく、Salesforceの参入によって全てのプレイヤーたちの採用が加速されることになると考えている。「Salesforceによる満ち潮が全てのボートを上昇させて、Tactのような企業は大いに注目されるようになるでしょう。Salesforceはこのカテゴリーのリーダーですが、マーケットシェアはいまだに20%未満なのですから」。
EinsteinはSalesforceの人工知能レイヤーの中の「なんでも引き受けますブランド」(catch-all brand)である。今回の場合は、自然言語処理、音声認識技術、その他の人工知能技術を使用して、人の声を解釈し、内容を書き起こしたり要求をより良く理解しようとする。
通常、Salesforceは小さな機能セットから始めて、時間の経過とともにその機能を追加していく。これは、来週行われる大規模な顧客会議であるDreamforceに合わせて、製品を発表し、同じような手段をとろうとしているのだろう。
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(翻訳:sako)