従来のケーブルテレビや衛星テレビではなくデジタルアンテナを使ったサービスを利用している米国の世帯数は過去8年間でほぼ倍増し、1600万世帯となったことがニールセンの最新調査で明らかになった。テレビを所有する米国の全世帯の14%が地上波で視聴している、としている。
ニールセンによると、ケーブルテレビや衛星テレビの契約を解除した“コードカッター”は基本的に2つのグループに分類されるという。
1つは、テレビをもっぱらアンテナ経由で視聴する年配の人で構成される平均年齢55歳のグループだー彼らはストリーミングサービスは全く購読していない。
計660万世帯を数えるこのグループは多様な家庭で構成され、平均収入は少なめだーこれは納得がいく。彼らにとって、コードカッティングはTV体験をパーソナライズするために無料コンテンツを有料サービスと組み合わせる手段というよりも、節約するためだろう。
計940万世帯を抱えるもう1つのグループは、Netflix、Hulu、Amazon Prime Videoといった購読ビデオサービスを少なくとも1つは利用している。こうした世帯の平均年齢は36歳で、若い傾向にあると同時に富裕であり、より多くのネット接続デバイスを利用している、とニールセンは指摘している。
彼らは他のことをしながらもデバイスにより多くの時間を割いているのでーおそらくゲームやソーシャルネットワークの使用だー彼らは従来のメディアをあまり利用していない。これがTV視聴時間に影響している。
コードカッターでビデオサービスを購読せず地上波を利用しているグループのテレビ視聴時間は1日あたり6時間超だ。これは、ビデオサービスを購読しているグループより2時間多いことが明らかになった。
ビデオサービスを購読しているグループはソーシャルメディアの使用も多い。これは、このグループの年齢や多くのデバイスを保有していることによるものだろう。彼らは毎日、平均1時間をソーシャルメディアに費やしていて、これはビデオサービスを購読していないグループより17分多い。
しかし、どちらのグループも“TV”コンテンツのほとんどをTVで視聴する傾向にある。スマホやタブレットといったデバイスの使用の増加にもかかわらず、テレビの視聴は主に大きなスクリーンで行われているようだ。
なお、コードカッターの中で、バーチャルプロバイダーへのアクセスを持つ購読サービスを利用しているグループも少ないながら増えている。YouTube TV、Hulu with Live TV、PlayStation Vue、Sling TVなどライブTVを提供するストリーミングサービスがある。このグループは2018年5月時点で130万世帯超に増えている、とニールセンは指摘する。(注記:ニールセンの数値は米国におけるテレビを所有する世帯数であり、こうしたサービスを利用するそれぞれのユーザーアカウント数ではない)
レポートではこの第3のセグメントについて深く掘り下げていて、そうしたグループは一般家庭に比べて大卒である傾向が56%超、子供を持っている傾向が19%超、そしてインターネットに接続するデバイスを所有している傾向が95%超多い。また、SVOD(オンデマンドの購読ビデオ)を利用するグループよりもわずかながらテレビを多く観る傾向にあり、視聴時間は、SVODグループが3時間22分なのに対して、3時間27分となっている。
イメージクレジット: Michael Blann / Getty Images
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(翻訳:Mizoguchi)