WebネイティブでFlashファイル用の効率の良いレンダラーを作ろう、というMozillaの実験的技術Shumwayがついに、Firefoxの最新のナイトリービルドに登場した。製品としての完成はまだまだ先だが、このプロジェクトはFlash Playerを完全に置換して、HTML5とJavaScriptでSWFファイルを表示することをねらっている。
90年代の後期には、MacromediaのFlash Playerを使ってWebにサウンドやビデオやアニメーションを導入できたが、しかし今では、Flashはたぶん、いちばん嫌われているブラウザプラグインの一つだ。でもそれは、今でも至る所で使われており、モバイルブラウザの多くがもはやサポートしていない中で、デスクトップ上では依然として必須アイテムだ。
Mozillaがこのプロジェクトを開始したのは2012年の初めだが、同団体がこのプロジェクトについて詳しく語ったのはその年の11月で、それ以降は音沙汰がなかった。そのときの説明によるとShumwayの目標は、“SWFやそのほかのリッチメディアフォーマットのためのランタイムプロセッサを、ランタイムの実装のないプラットホーム向けに提供すること”、とされていた。また、リッチメディアフォーマットをブラウザ内で表示する方法を改良し、プロプライエタリなソリューションを不要にすることによって、オープンWebを一層前進させたい、とも言っている。
今のところShumwayはブラウザのエクステンションなので、最新のナイトリービルド(バージョン27)のデフォルトの機能ではない。しかし、about:configへ行けばアクチベートできる(ただしFlash Playerがインストールされていることが必要)。
また最新のFirefox Nightlyをインストールしなくても、MozillaのShumway Inspectorでその能力を見ることができる。まだ、Flashを使っている商用アプリケーションのすべてを動かせるわけではないが、提供されているデモのレーシングゲームやベーシックな2Dフィジックスエンジンなどは、この技術のポテンシャルを見せている。今後Flashのすべての能力を完全に置換できるようになるのか、それはまだ未知数だが。
MozillaがAdobeの技術を置換しようとする大規模プロジェクトは、これが二つめだ。この前同団体はPDF.jsでAdobe Readerを置換し、ブラウザ内でPDFファイルを表示するための新たなデフォルト技術を提示した。
なお、同種の試みはMozilla以外でも行われている。たとえばGoogleが2011年に立ち上げたSwiffyは、SWF→HTML5コンバータだった。その後今日まで情報はないが、今でも活発に開発が行われているプロジェクトであるようだ。
Adobe自身も、このところFlash離れを進めている。同社の最近のWebデベロッパ向けのプロジェクトはほとんどすべて、WebスタンダードとHTML5ベースのサイトの制作に関連している。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))