サッカーの世界では大金が動く。現実のチーム運営などのみだけでなく、大勢のファンが利用するアプリケーションについても同様のことが言えるようだ。
この度、ベルリンに拠点をおくThe Football Appが、ニューヨークのUnion Square Ventures(Twitter、Tumblr、Zynga、あるいはKickstarterなどへの出資を成功させている)が主導して、他にも多数のエンジェルが参加した最新のラウンドにて、700万ドルの追加資金を調達したのだ。ちなみに、ベルリンのEarlybird Venture Capitalが主導した5月のラウンドでは1000万ドルを調達している。ごく短期間に、かなりの資金調達を立て続けに行ったことになる。
もしかすると勘ぐる人もいるかもしれないが、調達の裏に何か問題があるというわけではないようだ。2008年のリリース以来、いろいろなプラットフォームに対応したモバイルアプリケーションのダウンロード数は1000万件に達している。また、この6ヵ月以内のダウンロード数が300万件に達しているというのも評価できる数字だ。今回の資金調達は、人気もあって、それなりの額を調達している、ライバルのFTBproをリードしよう狙いもあってのものだろう。
もちろんタイミングもよく考えられたものだと言えよう。すなわち、来年にはワールドカップが開催されるのだ。まさに、一気に大量の数の利用者を獲得するチャンスが間近に迫っているというわけだ。The Football Appのファウンダー兼CEOのLucas von Cranachは次のように述べている。すなわち「私たちは、2014年のワールドカップ後には、利用者数を3億5000万と倍増させたいと考えています。モバイルデバイスを利用していて、サッカーに興味をある人すべてが利用候補者ということになります」。
今回の資金は「ソーシャル面を強化して、利用者の使用頻度をあげる」のにも使っていくのだそうだ。
確かに「ソーシャル」面の強化は、アプリケーションを成長させることに繋がっていきそうに思える。ソーシャルネットワークとしての性質も持つようになれば、いつでもどこからでも、ファン同士がサッカーの話で盛り上がることができるようになるわけだ。こうした意味では今回、Union Square Venturesがラウンドをリードしているのは大きな意味がありそうだ。すなわちUnion Square VenturesはこれまでにTwitter、Foursquare、およびTumblrと関係したことがあるわけで、ソーシャル要素を成長させていくためのノウハウも持っているものと考えて良い。The Football App自身も、あるいは他の投資家たちも、その点に大いに期待しているに違いなかろう。
今月初め、アプリケーションには「Fat Zone」という機能が加わり、試合結果、ニュース情報、全世界からのサッカー情報などに加え、ソーシャルフィードからも各種情報が集約されるようになっている。
こうした変更を経て、The Football Appは、Fanatixと同じような仕組みも実装したと言えそうだ。FTBproなどもまた新たな動きを見せてくると思われ、2014年のワールドカップを、一層愉しむためのテック面での環境整備も進んでいくことになる。
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(翻訳:Maeda, H)