Instagramの広告投入は成功か?! 閲覧数中5%以上が「いいね」と評価

取り扱いを開始したInstagramの広告は、まずまず順調なスタートを切ったようだ。CEOのKevin Systromは「広告が表示された際、5%以上の割合で『いいね』がクリックされる傾向が見られる。インターネット上の広告はほとんどが無視される中、これは驚くべき成果だと言える」と述べていた。

舞台は先週行われたGigaOm Roadmapカンファレンスで、どこでマイケル・コース(Michael Kors)の腕時計を買うことができるのかというコメントが多く寄せられたとも述べていた。

Instagram上のデータ分析を行っているNitrogramも、11月1日のデータを分析して、615万人が目にして、21万8000件の「いいね」を受け取ったとしている。ちなみに同様の分析はSocialFreshでも行われている。このデータを見ると、閲覧数の3.57%の「いいね」数となっており、集計のタイミングなどにより、確かにSystromの言う5%以上という数値が出ていたのだろう。

さらにSystromはOm Malikとのセッションの中でInstagramが世界に大きな影響を与え得る企業になっていく第一歩だと述べていた。「現在のところは1億5000万のアクティブユーザーを抱えています。シリコンバレーの中でのみ有名な『クール』なスタートアップという立場から、メインストリームユーザーに対して影響力をもつ組織へと変わりつつあるのです」とのこと。また、今や1日に5500万枚以上が投稿されるのだそうだ。

広告投入の開始を先月にアナウンスして、そして最初の広告投入と推移してきた。セッションの中でOmは、すべてがうまくいっていると見て良いのかと問うていた。Systromは応えて曰く「1日に何億ドルも稼いでいるのかといえば、そのようなことはありません。しかしそういうことを目指しているのではないのです。じっくりと着実な成長をしていくための第一歩といったところです。広告の露出回数などのデータを見ながら、今後の方針などを考えています」とのことだった。

たくさんの「いいね」を得ている理由としては、物珍しさもあるのだろう。最初の広告が、なかなか美しい腕時計のものであったことも「いいね」獲得に利することとなったと思われる。利用者が「フィードが汚された」などと考えることのないように、今後も質の面では充分に考慮していく必要があるだろう。一般利用者が投稿している写真などよりも「良い」ものであることが望ましい。

Instagramの今後についてもSystromは言及していた。ライバルや、あるいは自身の親会社についても触れている。「FacebookやTwitterなどは、利用者の間にしっかりと根づいたサービスになっているように思います。その点はInstagramも同様であると感じています。これらのサービスが全く使われなくなったり、あるいは利用者が激減するということがすぐに起こるようなことはないと考えています。但し、利用者のモバイルデバイス利用時間の奪い合いはますます激化していくことになります」とのこと。

Instagramの今後は「イベント関連」および「検索の強化」か

現在のInstagramに足りない点についてもSystromは率直に言及していた。その点にこそ、今後の成長可能性があるとも考えているのだろう。

「注目される海外のライブイベントを利用者に知ってもらうにはどうすれば良いでしょうか。あるいはロンドンで暴動が起こっているといったことを、画面上でどのように提示すれば良いでしょうか。ワールドシリーズで盛り上がっている人たちに、交流を楽しんでもらうのに良い方法があるでしょうか。興味を持つできごとが、たった今、世界のどこかで起こっている最中なのだということをうまく伝えられれば、Instagramは一層魅力的なものとなるでしょう」。疑問文の形で述べていたが、すなわち、Instagramとして、イベント関連の機能を追加していきたいという意味だ。

「ハッシュタグを使ったり、ハッシュタグを検索することができます。あるいは興味のある人をフォローしておいたり、ユーザーを検索することもできます。しかし検索ノウハウがないと、面白そうなコンテンツも見つけられずに通りすぎてしまうことも多いはずです」とSystromは言う。そもそもハッシュタグが何なのかを知らない人も多く、ましてやハッシュタグを検索して面白いものを見つけることなど、想像もしない人も多いのだそうだ。

成長には、そうした人たちを巻き込んでいく必要がある。キーワードを入力して検索結果を表示するような、従来型、あるいはFacebookのグラフ検索のようなものを超える検索機能の必要性を意識しているものと思われる。

ひとつの方向として考えられるのは、メタデータを積極的活用だ。写真を撮った場所や時間帯の近接性に基いて、利用者同士の関係性を構築する方法もあるだろう。Systromもこうした可能性に言及している。但し、まだサービスではすべての写真をジオタグを使って分類・提示するというようなことは行なっていない。

昨年の記事にも書いたように、位置情報を積極的に活用できれば、利用者に身の回りの世界と「繋がっている」感覚を提供することができる。現在のところは、自分の撮った写真をフォトマップで表示するような機能しかない。将来的に、この部分を強化していく考えなのだろう。

ところでSystromの考えでは、スタートアップを運営するには何かしら特徴のあるサービスを提供すべきであるとのこと。成り行き任せでいろいろなものを取り込んでいくというようなやり方はよくないと考えているのだそうだ。どのようなものを提供するのかをじっくりと考え、自信を持って自らのサービス価値を提供していくべきだとする。見方によれば、FacebookはTwitterのようにソーシャルな関係性の拡大を意図していて、そしてTwitterはFacebookのようにビジュアルコンテンツを重視し始めているとも言える。そのような中、Instagramは自らの提供するサービスに集中し、そしてますます深化させていこうとしていると見ることもできる。

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(翻訳:Maeda, H


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TechCrunch Japan

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