検索が、Vogueの9月号で特集されている。9月号は是が非でも読んでもらいたい — なんとグーグルグラスを装着するモデルが10ページに渡り掲載されているだけでなく、ヤフーのCEO、マリッサ・メイヤー氏が大々的に取り上げられ、モデル顔負けの存在感を放っているのだ。
グーグルグラス、そして、検索業界の最新のトレンドは、「ホット」である。もはやギーク特有の領域ではなくなり、オシャレで流行の最先端に位置する存在となった。
テクノロジー(そして、ファッション)は、「今後、絶対に欠かせなくなるアイテムを提供する」と言う意味では同じである。今月のVogueを検索業界で絶対に必要になるアイテムの兆しと考慮すると、次世代の検索 — つまり、セマンティック検索 — は、間もなくマーケッターにとって欠かせないツールになると推測することが出来る。
1. セマンティック検索 = アンサーエンジン
ナレッジグラフ(または、あらゆるエンティティグラフ)は、検証され、確認が取れた、内部の構造化されたデータで構成されている。そして、このデータが、アンサーエンジンの潤滑油となる。
アンサーエンジンへの進化は、自然であり、検索エンジンの長期的な目標である。なぜなら、アンサーエンジンは、結果のリストを通した検索よりも、優れたユーザー体験をもたらすためだ。また、答えは、通常のコンピュータのスクリーンではなく、代替的なデバイス(グーグルグラスや時計等)での表示に向いている。
適切な形式で、適切なタイミングに、適切な情報が提供されるようになれば、大幅に利便性が向上するはずである。これは、グーグルナウおよびグーグルナウのカード形式で提供されている — ちなみに、グーグルグラスは、この形態のデバイスの最終的な製品ではない(実際に、グラスオミックスを始めとする取り組みが行われている)。
近い将来、エンティティグラフの検索結果で「見つけてもらえる」ように、ナレッジグラフでエンティティとして存在することが必須になる。
2. セマンティック検索 = コンピュータが判読可能
セマンティックウェブ、つまり、HTMLのページに埋め込まれた構造化マークアップは、特定のトピック/テーマに関する情報を検索エンジンのクローラーが読むことが出来るようにする役目を持つ。
このマークアップをウェブサイトに盛り込んで(まずはschema.orgから着手する)、ターゲットのオーディエンスが検索エンジンに尋ねる質問の答えを提供するように心掛けてもらいたい。
3. セマンティック検索 = SERPの表示の強化 & 支援
検索エンジンは、セマンティックテクノロジーを活用して、より優れたユーザー体験を作り出す。グーグルのリッチスニペット、ビングのタイル、そして、ヤフー!のサーチモンキーの結果は、全て「表示を強化」することをモットーに掲げており、SERPをユーザーにとって魅力的にする — その結果、とりわけクリックスルー率が改善される効果が見込まれる。カルーセルおよびナレッジグラフの結果もまた、目覚ましいユーザー体験を作り出す「表示の強化」に貢献している。
デバイスごとに最適化するのが、理想的な表示のメカニズムである。このユーザーインターフェースは、A/Bテストタイプの実験をリアルタイムで実施し(グーグルは、通常、24点のテストを一度に実施している)、それぞれのGUIに対する最適なユーザー体験/レスポンスを特定することが可能である。
(最も正確であり、最も細かく、しかも)最新、そして、最高のセマンティックマークアップを利用する必要がある。こうすることで、新たなスニペット、または、強化された構造化デ-タが検索結果に反映される度に、何もしなくても後押ししてもらえるようになる。
4. セマンティック検索 = ウェブページの認証
検索エンジンは、適正な構造化データを抽出して、ページの内容が妥当である点を認証する。この認証は、ウェブページに対する信頼をさらに高める効果がある。
ページのコンテンツと構造化マークアップは、データフィードやAPIを介して提供する情報と一致させる必要がある。その結果、コンテンツの認証をさらに進めるだけでなく、さらにデータソースが増え、ウェブページ上で機械の学習/トレーニングが可能になる。
schema.orgのマークアップが、人間のユーザーに提供しているコンテンツと一致していること、そして、APIやデータフィードを介して提供している情報と一致することを確かめてもらいたい。
5. セマンティック検索 = ソーシャルメディアの採用
グーグルの検索エンジンは、セマンティック検索を通して、会社に対して、グーグルプラスへの加入を促している。
ブランドや会社に対してグーグルプラスのページを作成すると、知名度や認知度が上がり、また、グーグルプラスのページを高く評価すると、ナレッジグラフでその会社が存在することを裏付ける効果が見込める。
もはや絶対に必要ではなくなったが、rel=publisherをウェブサイトに実装し、グーグルプラスのページにリンクを張ろう(詳細はこのページで確認してもらいたい)。
6. セマンティック検索 = グーグル+オーサーシップ リッチスニペット
グーグル+は、オーサーシップのおかげで、個人による利用が進んでいる。
オーサーシップマークアップを使うと、認証済みのオーサーに対するビジビリティが上がるだけでなく、オリジナルのコンテンツの功績を直接作者に認めることが出来るようになる。その結果、別のサイトからコンテンツを盗用するサイトは、最終的にオーソリティが減っていく(その結果、ランキングに影響が出る可能性がある)。
パブリッシャーは、時間を割いて、オーサーシップマークアップとschema.orgのarticleマークアップを適切に実装するべきである(articleは、SERPで「in-depth article」(詳細な記事)として提示される確率を上げる)。
7. セマンティック検索 = 内部の構造化データ
内部の構造化データ(信頼されているソースによって検証され、認証されたデータ)は、推測や推奨等、様々な用途に活用される可能性がある。グーグルは、この手の「ビッグデータ」の利用を極めている。ただし、結果に対して活用する際のあらゆるデータの法則 — GIGO(ゴミを入れたら、ゴミしか出てこない)を忘れないでもらいたい。
そのため、スパム丸出しの手法を利用する行為も、グーグルに無効な情報やゴミのような情報を与える行為も認められない。こんなことをしていては、グーグルに信頼してもらえなくなる。SEOに携わる者として、どのようなマイナスな影響が押し寄せるか、よく理解しているはずである。劣悪な情報ほどひどいものはない。
8. セマンティック検索 = 検索の未来
内部の既に明らかになっている事実、そして、「コンテキスト」または「知識ベースの区分」により、コンピュータ(および検索エンジン)は、新たな情報を引き出すことが可能になる。また、有望な推論メカニズムと共に用いることで、未来の知的な「スタートレック」型コンピュータが誕生する。最低でも、既にグーグル等の検索エンジンは、「セマンティックネットワーク」またはナレッジグラフを行き来して、基本的なつながりを導いている。
このポテンシャルについてよく考えてもらいたい(SFの世界の話と思われていたこと)。そうすれば、検索の未来が見えてくるかもしれない。
9. セマンティック検索 = schema.orgのオントロジー
検索エンジンが、schema.orgのオントロジー(または、コンピュータ内のボキャブラリーやコンセプトの描写)を活用する際、このようなコンセプトは、事実上、言語には依存していないことになる。
その良い例がDARPA TIDES プログラムである。また、グーグルは、様々な言語で「リッチスニペット」をサポートしている — このページを参考にする限り、中国語、チェコ語、オランダ語、英語、フランス語、ドイツ語、ハンガリー語、イタリア語、日本語、韓国語、ポーランド語、ポルトガル語、ロシア語、スペイン語、そして、トルコ語に対応しているようだ。
そのため、別の言語圏の消費者をターゲットにしているなら、リッチスニペットの対応言語を確認するべきである(ターゲットのオーディエンスなら、その国の言語で構造化マークアップを実装することが可能だ)。
10. セマンティック検索 = ユーザーの意図を理解する
検索エンジンは、セマンティック検索を使って、ユーザーの意図をより正確に理解する。これは、最も重要なポイントの一つに挙げられる。
ユーザーの居場所、検索履歴、デバイスのタイプ、日常的な習慣等は、ユーザーが質問した際に、検索エンジンがその意図を理解する上で、全て役に立つ。
「コンテキスト」が追加されると、検索エンジンは、クエリを絞り込み、抽出した情報を明確に定義し、答えに対する検索のスペースを限定し、そして、当然ながら、適切なタイミングで、適切な答えをユーザーに提供しやすくなる。
台頭著しいインターネットならではなの「物事」等の要素を加えていくと、検索エンジンにとって、どれだけ有益であるか、そして、検索の要素として、どれだけ重要なのかが見えてくるのではないだろうか?これ自体、記事のトピックになる。
ユーザーの意図をより正確に特定すると考えられているシグナルは他にも数多くある。このタイプの(または、少なくとも、さらに分かりやすい)シグナルを意識し、オーディエンスをターゲットにする際に考慮してもらいたい。
まとめ
要するに、セマンティック検索は、検索業界の一大ムーブメントとして頭角を現しており、SEOのベストプラクティスを活用したいと望むなら、絶対に理解してもらいたい。恐らく、セマンティックSEOは、SEOの関係者がこのコンセプトを活用する仕組みを描写する用語として、使われるようになるのではないだろうか。
この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「10 Reasons Why Search Is In Vogue: Hot Trends In Semantic Search」を翻訳した内容です。