iPhoneアプリで直ぐに呼べる、ちょっとリッチな感じのタクシー・リムジンサービスを提供する「Uber」(ウーバーと読む。元はドイツ語だが米俗語で素晴らしいという意味)が、11月14日の朝10時ごろから東京六本木エリアのみ、数台のみ稼働という限定的な形ながらサービス運営を開始した。TechCrunch JapanはUber Japanから連絡を受けたが、担当者によれば、すでにUber Japanは法人登記済みで、東京でのサービス運用開始にあたって業務開始に必要な申請や法規制対応なども終えているという。
Uberは全米都市部や台北、ソウルなどでサービスを行っているが、ワシントンDCやサンフランシスコなどでは、地元タクシー業界ともめたり、訴訟沙汰となったりを繰り返しながらサービスが立ち上がって来た経緯があるだけに、まさか東京という感もある。もっとも、東京進出自体はちょうど1年前のTechCrunch Tokyoに来ていたUberのCEOから発表済みだったので、1年かかったと見るべきなのかもしれない。ゲリラ的にサービスを開始し、特にその都市の有力者のコアなファンを作る、そして事実上サービスとして受け入れらたという実績を積んで後から法的に解決するというアメリカっぽいやり方では東京では通用しないだろうと思われていたが、法的問題はクリアしたリムジンサービスという位置付けのようだ。
Uberにはグレードやドライバーの契約形態によって何種類かサービスがある。サンフランシスコでは個人タクシーがUberの機材を搭載して運用する安いモノもあるが、東京で始まったサービスはリムジンぽいやつのようだ。東京はタクシーの量も多く、ドライバーの接客サービスの質も平均して高いので、まずは少しぐらい高くても良いクルマでスマートに移動したいという層にアピールということだろう。UberはGoogle Venturesなどから2億5800万ドル(約256億円)の資金を調達するなど米国では飛ぶ鳥を落とす勢いだが、日本のタクシー業界をディスラプトするほど東京で成功するかどうかは未知数だ。
Uber Japanはブログでソフトローンチの様子を伝えている。Uber Tokyoチームによれば、現在の「Secret Uber」登場を記念して、プロモーションコード「TryUberTokyo」を入力することで初回乗車料金が無料になるキャンペーンを展開している(上限5000円、2013年12月15日まで)。今回、「ソフトローンチ」という耳慣れない用語で静かに展開が始まったUberの東京進出だが、正式ローンチがいつになるか、どのぐらいのペースでエリアや台数を増やしていくかなどは未定だという。